内容説明
言葉は喉の奥でつっかえ、想いは胸の底で燻る。東京の片隅で、影のように生きる青年・五十嵐遼馬。その人生を変えたのは、ボクシングだった。寡黙な青年は拳を交わし、生きた会話の喜びに目覚めていく。やがて立ちはだかるのは、悪霊に憑かれた異国のチャンプ――これぞ王道の灼熱、青春小説の名手がブッ放す魂の拳闘小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
226
岩井 圭也は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、異色のボクシング成長譚、続編もありそうなエンディングでした。ボクシングが対話だとは思いませんでした🥊🥊🥊 https://www.shinchosha.co.jp/book/354132/2026/05/02
hiace9000
163
驚異のジャンル越境作家・岩井さん。今作はリングを舞台に「拳」を語るスポーツ人間ドラマ。五十嵐遼馬は場面緘黙症で幼い頃から人と会話ができない孤独な青年。仕事帰りに見た須郷ボクシングジムの熱気に惹き寄せられ、そのまま入会することに。トレーナー・高矢の「話せなくてもボクシングはできる」の言葉を支えに、孤独を埋めるようにジムに通う遼馬。リングでの駆け引きを通して彼の中で何かが変わり始める―。自らの思いを拳で主張する喜びに目覚めていくボクサーの性と業を、眩暈を起こすような歓声と暴力の熱狂が渦巻く灼熱の筆致で描く。2026/04/22
はにこ
129
読書メーターで見かけた本。正直、ボクシングに興味無かったのだが、楽しめた。会話が苦手な遼馬がボクシングに熱中していくお話。ボクシングで食べていくって相当難しそうだね。命懸けのスポーツなのは分かっていたけど、試合の描写を読んでいたらとてもじゃないけど、観戦できそうにない。もう1人の主人公ともいえる、サクチャイとの死力を尽くした決戦、格好良かった。2026/05/26
ma-bo
120
言葉が喉の奥でつっかえ他人とうまく会話することが出来ない青年五十嵐遼馬、偶然立ち寄ったボクシングジムに入会。自身に価値を見いだせず孤独に生きてきた青年が出会ったボクシング。トレーナーやジムの仲間達との間で自分の居場所や存在意義を見いだしていく。セコンド高矢との絆、廣瀬との二度の死闘、そしてサクチャイとの戦い。「ぼくはここにいると証明したい」「拳の声が確かに聞こえた」岩井さんは改めて思うけど作品の題材が多彩だな。2026/07/07
となりのトウシロウ
112
話せなくても、ボクシングはできるからーこの言葉に導かれてボクシングを始めた五十嵐遼馬。話そうとすると言葉が詰まってしまいうまく喋れない。それが理由で学校にも職場にも馴染めずずっと一人。そんな遼馬がボクシングに出会った事が人生の転機になる。愚直でひたむきにボクシングに向き合い己の存在を証明する。拳を通した真剣な対話は読む人の心を揺さぶって熱くしてくれる。リングの上の熱い闘い、細やかな心理描写や駆け引き、流れる血と汗、魂のボクシング小説です。2026/05/05
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