内容説明
探偵である「私」は、長崎のはるか沖合に浮かぶ波手島を訪れる。孤高のカトリック作家・蘭堂叡人が晩年を過ごした館には、いまも彼の養女ほか、ゆかりの女たちが住んでいた。そこに、蘭堂の隠し子で唯一の相続人と名乗る女が現れたのだ。私の仕事は女の素性を暴くこと。彼女の正体は? さらに、密室から「昇天」して消えたという蘭堂の最期――その驚愕の真相とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マサキ@灯れ松明の火
14
ライター兼調査員の「沢崎」…彼だけが、名字だけなのが最初は不思議でしたが…読み進めていくうちに、「蘭堂叡人の昇天」の謎を追うためには、必要なことだったのでしょう。最果ての島に暮らす「女たち」…不幸だったのか…幸せだったのか…「神」のみぞ知ることでしょう……2011/12/07
陽介@中四国読メの会参加中
7
ノベルズ版既読。とあるキリスト教文学者が晩年を過ごした孤島。その島に住む彼に縁のある女性たち、そこに乗り込むライターを名乗る訳有りの主人公。自分にしては珍しく、肝になる部分以外も割りと覚えていた方でした。初読の時に思いっきり引っ掛かった部分も、読み返してみて「ああなるほど!」となる良い作品でした。キリスト教、隠れ切支丹ネタはやはり惹かれるものがありますね。2013/07/29
ゆっき~
5
かつて隠れキリシタンの住処だった島で、カトリック作家の蘭堂叡人が謎の失踪を遂げる。一緒に暮らしていた者たちは口をそろえて彼は“昇天”したと言うが…。その作家の隠し子だという人物の身辺調査を依頼された探偵の沢崎は、調査を進めていくうちに、作家の“昇天”の真実に近づいていく。……色々騙されたー!!(笑)キリスト教に詳しい人だと途中で気がつくのかなあ?ゴシック・ロマンスって好きなジャンルかも!初めて読む作家さんだったけど、面白かったので他の本も読んでみようと思います。2012/08/13
惠
5
んー。なんかなぁ。文体が苦手なのかモチーフが苦手なのか、悪いってことはないのだけれど、あまり愉しめなかった。ちょっと難しいのだよなぁ。いろいろと。そしてそのオチもと…。2011/05/12
efu
4
篠田真由美さんの本は建築探偵以来だろうか?あれもシリーズどこまで読んだのかおぼろ・・・。隠れキリシタンが題材というのに惹かれて読んでみたが、題材の割には扱いが薄い感じがする。読んでいる間時々諸星大二郎さんの妖怪ハンターの画面が浮かんできてしまった。あれは強烈だものね。なんというか「薔薇の名前」をちゃんと読み直したくなってしまったな。年を取ると、昔いい加減に読んだものをちゃんと読み返してみたくなるものなのでしょうか。最近そういう衝動に駆られることが多いです。2016/11/23
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