内容説明
人生の“大晦日”に奇跡が起きる!?
定年退職の日に炙り出される、衝撃の過去の真実とは……
年度末の3月31日、総合メーカー・万屋カンザキ本社ビル。
清掃員の守田守は、早朝から退職や異動でごった返す社内を掃き清める作業に追われていた。就職氷河期の挫折を経て、
派遣先で粛々と仕事に臨んできた守田は、この日で定年を迎え、会社を去る窓際部長の佐和山義男から突然朝食に誘われる。
守田は5年前、図らずも佐和山の自死を阻止した「命の恩人」だったというのだ。
バブル期入社の剛腕営業マンで、親分肌と慕われた彼に5年前、何が起きたのか。
立場も世代も異なる二人の人生に、佐和山の同期や部下の願いと、因縁のライバル達の思惑が交錯する中で解き明かされる、封印された驚愕の真実とは――
ブックジャーナリスト 内田剛さん 太鼓判!
「人生を何色に染めるかは自分自身だ。迷える背中を優しく押してくれる極上の人間ドラマがここにある!」
【著者・安藤さんからのメッセージ】
「年度末の一日を時間軸にして数十年の縁の交差を描く形式は、今作が初の試みです。
佐和山、守田をはじめ、幅広い年齢層の勤め人たちの群像劇にできたと感じます。退職前後の方はもちろんのこと、たくさんの方々に読んでいただけたら嬉しいです」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
91
来月でサラリーマンライフ、33年目を迎える私にはとても胸にしみる素晴らしい作品でした。有能な営業マンだった「佐和山」はとあるコトがキッカケで失脚し、退職を閑職にて迎えます。彼が失脚した出来事にどうにも解せない面々がそれぞれ、事の真相に迫ろうとします。数あるサラリーマン小説にまた1冊、代表作が加わったかもしれませんね。とにかく登場人物がどなたも魅力的で、アッという間のイッキ読みでした。池井戸さんの「半澤直樹」シリーズほどアツくはないので、読みやすいかと。自分も常々思ってますが結局仕事って「人」なんですよね。2026/03/27
ゆみねこ
76
総合メーカー・万屋カンザキを舞台に、年度末3月31日に繰り広げられる物語。就職氷河期の挫折から清掃員として働く守田は、この日をもって定年退職をする佐和山に突然朝食に誘われ、思わぬ事実を伝えられる。5年前のある日、自死をしようとしていた佐和山は守田のひと言で思いとどまり、彼を命の恩人と言う。5年前、本当は何が起きていたのか?佐和山の部下・同期の願いと因縁のライバルたち。封印された事実が明かされ爽やかな感動でハッピーエンド。こういう本を読むことの幸せ、楽しい時間。お薦めです😉2026/03/03
pen
37
清掃員 守田が年度末の3月31日 定年退職する佐和山から告げられた一言「あなたは命の恩人です」から物語は始まる。おいおい、こんな奴が重責を担っている会社ってみたいな突込み所はある。でもやはり安藤祐介なのだ。「逃げ出せなかった君へ」は本当に魂を揺さぶられた。「本のエンドロール」で仕事に対する矜持の尊さを教えられた。突込み所はある(笑) でも随所に出る安藤節にはやはり心を鷲掴みにされる。良い読書でした。2026/02/24
ゆっき
36
こんな安藤祐介作品が読みたかった。心を掴んで離さない最高の人間ドラマでした。3月31日、総合メーカー・万屋カンザキ本社の激動の一日の幕が開く。就職氷河期の挫折を経て、清掃員として手を抜かずに仕事に向き合ってきた守田守。昔は親分肌で野心の塊だった通称パトロール部長、今は仏の佐和山義男。そんな二人の人生が交錯。佐和山の退職する日に封印されていた真実が明るみに。素敵な仲間たちのおかげでスッキリ。ツンツン頭の田代の存在も最高だった。努力する人が報われる世の中でよかった。第二の人生、きっと明るい未来が待っている。2026/03/08
sayuri🍀
33
読み終えて本を閉じた瞬間、心の中を爽やかな風が吹き抜けていった。それは春の始まりを告げるような静かで暖かな風だった。3月31日、年度末のざわめきの中で起きた小さな奇跡。総合メーカーの本社ビルで働く清掃員・守田と、定年退職を迎える窓際部長・佐和山。人生を諦めかけていた守田と、社内の出来事で降格人事を食らった佐和山。不器用でも、真っ直ぐに、実直に働いて来た二人が愛おしくなる。理不尽なことばかりの毎日でも、明日、何かが変わるかもしれない。そんな希望を、そっと手渡してくれる物語だった。この作品に出逢えた事に感謝。2026/02/18




