地下鉄駅

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地下鉄駅

  • ISBN:9784309209340

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内容説明

生を手離さずにいることは、こんなにも難しい――。
失業、借金、いじめ、病気……駅で自ら死を選ぶ人々と、その防止に奔走する地下鉄職員・葉育安。
現代台湾文学を牽引する作家・何致和が、都会の声なき声を拾い再生を描く台湾発の話題書。
台湾文学賞、誠品読書職人賞など受賞多数!



葉育安(ヨウ・イクアン)、45歳、思春期の娘と認知症の老母との3人暮らし。
優柔不断、すべてに受け身で生きる彼が
地下鉄の自殺防止プロジェクト長として向き合うことになったのは、
地下鉄のホームで今まさに自死へ向かう人たち。

会社のお金を横領したサラリーマン、SNSで失恋を晒された中学生、持病に悩む老人、周囲から羨まれながらも生きる気力を失った女性……自殺防止プロジェクトリーダーを任せられた育安は、なんとか成果を出そうと試行錯誤を重ねるも、自らの足でホームから飛び降りる人たちを止めることはできない。
それでも群集のなかに身を置いて、日々を生きていく寄るべき人々の体温が、見知らぬ他人をいつしか温めていく――出口のない問題を抱え生きる全ての人へ、ささやかでも、明日へ向かう力の一端になる物語。

現代社会のひずみや抑圧を描いたソン・ウォンピョン『アーモンド』、ハン・ガン『回復する人間』らにも通じるストーリーテラーの初邦訳。

《解説:松本俊彦(精神科医・作家)》
読了後、語られなかったこと、描かれなかった余白に読者は深く心を揺さぶられ、何かを考え始める。こうした、読後から始まる独特の余韻、静かな残響音は、本作品における最大の魅力といってよいだろう。

《台湾文学金典賞授賞/選評 凌性傑(詩人・作家)》
何致和は中年男性の心境をきめ細やかに描き出し、公共交通機関と時代の鼓動を結び付け、地下鉄によって交わる人生を通じ、様々な流動を表現する。その流動感に、多声的な語り、語りの視点の交代が加わることで、重層的で、極めて読みごたえのある作品に仕上がっている。
地下鉄という現代の交通機関は、個々の実存の不安を乗せる一方で、出発と帰還を支えている。本書で最も引き付けられるのは、冷静に傍観しているようでいて、「理解しようとする」やさしさを潜めた語りである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

65
地下鉄駅というタイトルに惹かれました。冒頭からすると、仕事小説なのかと思いましたが、家族の問題、恋愛など人間ドラマの要素が強い物語でした。翻訳のおかげなのだと思いますが、構成もよく、物語もわかりやすい作品でした。2025/11/23

踊る猫

39
重厚なテーマを骨太に伝えようとする心意気を買いたい。だが、その意気込みが空回りしていないか(地下鉄職員たちの発想がこれといったチェックも通過せずかんたんに実現しすぎるご都合主義、ならびに45歳男の主人公と新人女性運転士のあいだの恋物語の設定がはらむ無理が気になる)。その空回りを怪我の功名よろしく活かすことにも失敗しており、結果としてなんだか煮え切らない作品になった感は否めない。だが、それでも志の高さは買いだと思うしここから現代人の孤独(言葉にしてしまうと陳腐だが)を考える上でヒントが出てくることもたしかだ2025/11/08

detu

16
11/19~30。新刊棚。初台湾作家。台湾の地下鉄会社、運行管理課主任。家庭では認知症が進行している母親を介護する娘との悶着が続く。ある日飛び込み自殺対策を一任され仕事にも翻弄。その対策が笑い話レベルでエスカレートしていくき、彼の無能ぶりを発揮している。自殺事故にあった女性運転手にやがて恋心を抱き、こちらも中学生かと思うほどの奥手。この人は何に対しても他力本願で無欲。読んでいて、なんだか自分の事書かれているようだった。2025/11/30

ori

14
地下鉄の駅で飛び込みがある。運転士、地下鉄会社の担当者、その上司などさまざまな人間の群像劇が始まって最初は面白かったのに、途中から地下鉄会社の全く冴えないおじさん主任のロマンス話がメインになってきて、うーん。。。 かなり年下の新人女性運転士を好きになり、認知症の母親の面倒など娘にすべて任せきりにして、その女性との勝手な妄想が爆走するおっさんの独りよがりのロマンスなどキモいだけなのですが?なのにこんな中年男も愛らしいでしょ?的に書かれてる感じがなんだかなーでした。ホラーのつもりなのかな…2026/01/18

ののまる

7
主人公の中年オッサンに時にイライラしつつ、自殺予防対策の滑稽無糖な描写(日本も同じ事をやっていたりの根拠もあるのだが)に、これはコメディ❓️それとも…と読み進むうちに、自殺する様々な人々のそれぞれのストーリーが交差して、複雑な読後感。地下鉄に乗るときに、いろんな想像をしてしまいそう。2026/02/03

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