内容説明
犯罪史や解剖学に没頭する十三歳の少女エイヴァはある夜、家を抜けだし向かった小動物の死骸置場で、級友の少年ミッキーの遺体を発見する。その夜から少年ばかりを狙う拉致殺害事件が発生。どの被害者にも咬み痕があり、傍には仔犬の死骸が。折しも町では獣ともつかぬ怪物が目撃され……。八〇年代初頭のバーミンガムで、家庭環境に悩む多感な少女が猟奇殺人事件に挑む驚愕のデビュー作!(解説・大矢博子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
78
主人公の魅力にやられた感がいっぱい。13歳のエイヴァ、家庭では母の顔色をうかがい、外ではいじめの標的にならないよう神経をはりめぐらす。そんな彼女の楽しみは夜中にある。ある晩、そこで知り合いの死体を発見してしまう。賢いエイヴァは大人の声色を使い通報する。そこから始まる連続拉致事件、犯人は想像がつくのだが動機が不明。読み終わると不気味さは消えて物悲しさが残った。今年読んだ海外ミステリの中ではかなり上位、私は好き。【国際スリラー作家(ITW)賞】【ヴァル・マクダーミド賞】受賞2026/04/25
えみ
50
もちろんミステリとして事件の真相も追求したいが、この小説に限っては何より“人”を深く、より深く、追求したい欲望が沸き起こった。海外ミステリにある物語以外に感じてしまう風習や文化の違いからくる独特な違和感が限りなく少なく、本当に心から没頭できた。どうしようもない苦しみ悲しみ、そして怒り。痛みが読了後に残るくらいの残虐非道な行為の数々。しかし同じくらい驚嘆と高揚感を与え続けてくれる登場人物・少女エイヴァの存在。その頭脳、話術、性格‥等、また読みたくなる魅力を持っている。連続少年拉致殺傷事件の謎を追うミステリ。2026/04/26
オフィーリア
49
タイトル買いした1冊。犯罪学や解剖学に精通するチート少女が連続猟奇殺人事件に巻き込まれる。意外と刑事パートが長く、あれ?と思ったりもしたけど、ミステリアスで聡明な少女のキャラクター性と成長に惹き付けられる。翻訳ものながら読みやすいのも良き。2026/04/16
Shun
29
タイトルに惹きつけられたミステリ小説。未成年が凶悪犯罪に対して知恵と行動力を武器に挑むというテーマは、既にベストセラーとなった作品がありますが、本作の主人公エイヴァのキャラクターも人気が出そうな予感。13歳らしからぬ理性と何より古今の犯罪史や生物学に長けた知性、それでいて生命に対してきちんと敬意をもって接する倫理観があり好ましい。エイヴァが興味を持つ解剖学に関する秘密の観察場所で、少年の遺体を発見したことで事件と関わることになり、正体を隠し警察への情報提供という立場を保ちつつ真相に迫る過程が読みどころ。2026/03/10
本の蟲
17
犯罪史や解剖学に精通している13歳の少女エイヴァは、行方不明だった級友ミッキーの遺体を発見する。その夜から少年ばかり狙う拉致殺害事件が続き…。ネグレクト気味の母親に代わり妹たちの面倒を見て、遺体を物怖じせず観察し、証拠保全を行い、声色を変えて警察に情報提供するエイヴァ。子ども扱いされないために大人のふりをするのには理解できるが、あまりのスーパーガールっぷりを納得できるかは読者次第か。事件の成行きと犯人の動機、結末には色々既視感があり、主人公への好感度で評価が変わるジュブナイルミステリ2026/04/14




