内容説明
欺瞞、密約、だまし討ち
死後七〇年以上経った今日なお、トーマス・エドワード・ロレンスは二十世紀のもっとも謎に満ちた、毀誉褒貶相半ばする人物の一人であろう。本書はロレンスの評伝だが、けっして「聖人伝」ではない。第一次世界大戦中、ロレンスをはじめアラブ世界を舞台に暗躍した四人のスパイと彼らを取り巻く人間模様から、ヨーロッパ列強が中東という壺の中に手を突っ込んでかき回すさまを描いた歴史ノンフィクションである。
ロレンスほど有名ではないが、本書で重要な役割を果たす三人とは、表向きは大学講師だが、英国を欺くためオスマン帝国と共謀し、愛人のロシア系ユダヤ人医師を諜報活動に利用していたドイツのスパイ、K・プリューファー。ルーマニア系ユダヤ人の農学者で、オスマン帝国統治下のパレスチナで祖国建設のために奔走するシオニスト、A・アーロンソン。そして米東海岸の名門の出で、大手石油会社の調査員から米国務省の情報員に転身したW・イェールである。
戦況によってめまぐるしく変わる彼らの立ち位置を丁寧に追い、今日の中東紛争の淵源となった時代を躍動感あふれる筆致で描いた注目の歴史大作! 「現代史アーカイヴス」として復刊。
【目次】
第二部
第十二章 大胆な企て
第十三章 アカバ
第三部
第十四章 傲慢
第十五章 炎に向かって
第十六章 募る怒り
第十七章 孤独な追跡
第十八章 ダマスカス
エピローグ――パリ
謝辞/訳者あとがき/参考文献
原注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
19番ホール
1
大国の密命を受け、20世紀初頭の中東へ遣わされた4人の若者たちの夢と絶望、そして欧米が巡らす謀略と現地勢力の顛末が描かれるノンフィクション。とてもよかった。復刊されるだけある。騎士道精神に憧れ、組織の鼻つまみ者の身ながら武勲を挙げるロレンスだったが、大国の大義の元、都合の良い象徴として利用されていく。映画版でロレンスがあそこまで現地サイドに肩入れしたワケも、詳細に生い立ちから追っていくとだんだん見えてきてよかった。映画版がデフォルトした箇所等もいくつか記述があり、副読本としても面白い。2025/08/16
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/b097d8e3-b8d7-4ce5-900e-e19b5f27d9f8 2025/07/09
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