内容説明
AI介護ロボットが、人に殺意を抱く日。
都内で一人暮らしをしていた浅沼啓造が突然死した。心臓にペースメーカーを埋め込んでいた啓造の死因は虚血性心疾患と判断された。だが警視庁捜査一課の犬養は、介護のために導入され、リタと名付けられたロボットN365に注目する。果たして、リタに内蔵された害獣駆除用の超音波と電磁波が、啓造の死亡時間直前に発振されたことが明らかになった。これによりペースメーカーが停止、啓造を死に至らしめた可能性が浮上する。捜査本部は、事件はN365の異常行動によるものとし、製造元〈マッカーシー・エクスペリメント〉社を業務上過失致死傷で立件しようとした。だが上層部が打ち出したのは、リタ本体を殺人容疑で起訴するという前代未聞の方針だった。
この裁判を担当することになった東京地裁の判事補・高遠寺円は、事前に被告人との面談に臨む。最新AIを搭載したリタとの会話に妙な人間臭さを感じ、おののく円。AIは人格を持つのか、ならば人間との違いはどこにあるのか。これは〈ヒトであること〉を再定義する裁判になる――。
AIがヒトに〈殺意〉を抱く可能性はあるのか。AIとの共存共生が現実になるなかで、われわれの未来を問うリーガル・ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
231
中山 七里は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。最近お騒がせな小学館刊、本書は、高遠寺円シリーズ、被告人がAIのリーガルミステリは、初読です。興味深く読みましたが、真犯人よりも、AIに芽生えた愛情の方が好かった気がします。 https://www.shogakukan.co.jp/books/093867492026/03/14
はにこ
160
AI化が進む昨今。もはやおとぎ話とは言えない話だった。人を殺してしまったAIが裁判にかけられることに。そこに感情があったのか。リタの様子を見ているとホントに感情があるように思える。これからさらに技術が発展したらそんな世の中がきてしまうかも。もしそうなったら人間とロボットの差って何なんだろうね。犬飼や静おばあちゃんの孫が出てきて胸熱だった。2026/02/05
いつでも母さん
155
中山さんAI裁判官の次は、被告人がAI介護ロボットときた。裁判官・高遠寺円に犬養刑事、中山作品馴染みのキャラにニンマリしちゃう。だが、事件そのものはちょっと考えさせられる。この介護ロボット「リタ」実に人間臭くて、寄り添ってしまうのだ。こんな世の中になったら人はお手上げだよなぁと思うけど、先のことは分からないよね。新しい問題や未来の事件も起こるのだろうが、私はもういない・・多分。2026/02/21
いたろう
87
ほぼ冒頭から犬養刑事が出てきたので、これは犬養刑事シリーズだったかと思ったが、実は本作で犬養は主役ではなく、主役は高遠寺円判事補だった。静おばあちゃんこと、日本で20番目の女性裁判官、高遠寺静の孫娘と紹介されなくても、前作「有罪、とAIは告げた」に続き、もはや、高遠寺円シリーズと言える、中山作品の重要キャラクターになっている。本作で円は、AIが被告という前代未聞の裁判に挑むことに。どんでん返しの中山作品にしては、初期の時点で、真相の予想ができてしまうのは、少々残念だが、高遠寺円シリーズの次作も大いに期待。2026/04/24
itica
83
ひとり暮らしの老人の世話をしていた介護ロボットが殺人容疑で逮捕されると言う、前代未聞の出来事が起きた。犬養刑事や高円寺円判事補と言った顔ぶれの登場が嬉しい。犬養刑事もそれなりの活躍を見せたが、私としてはAIよりも普通に人間らしい犯罪の方がそそられるかな。でも、こんな事件が将来はあり得るかもしれないよね。 2026/04/29




