内容説明
不朽の名作「指輪物語」に先立つ、壮大な神話世界。唯一なる神“エル”による天地創造の物語。神々の力がずっと近くにあった時代、エルフが、人間が、力の指輪がいかにして生まれたか。エルフ語研究の深化により固有名詞を全面的に見直した「最新版 指輪物語」に続き、本作も同様の見直しを行い、最新版へとなりました。Amazonビデオ「力の指輪」は本作をもとに製作されました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
創世神話から指輪戦争までをエルフ中心の神話群で辿る本書は、作者の死後息子が複雑に錯綜する草稿をまとめた一冊である。本館の中心はカレワラ、ギリシャ、ケルト神話を思い起こさせる不死の種族エルフの中つ国から至福の国への旅と帰還、エルフが月と太陽より先に作った宝玉シルマリルを巡るモルゴスとの戦い等が断片的に配置される。複数言語を媒介して叙事詩として音楽的に語り継がれた点は語の用法で仄めかされる(1人が複数の名を持つ等)。作者が壮大かつ緻密な想像力と年月をかけて描く不死を課されるエルフ族の使命と困難に終わりはない。2025/05/16
泉のエクセリオン
5
トールキンの死後息子のクリストファーによって編集されたトールキンの神話集とも言える天地創造の物語。以前の2003年版と大きく変更されている点は、一部の固有名詞がより発音に即したものになっていることだろうか。又、上下巻を通してなんと「楽園追放」のモチーフが多いことだろう。唯一神エルに反逆したメルコール、ヴァラールに反逆したフェアノール、そして彼に続いたノルドールエルフたち。楽園で平和に暮らすことも出来たのに、反逆し同族を殺し、神の呪いを受け、自ら悲劇に向かって進んでいく。2024/03/13
広瀬研究会
3
指輪物語の世界の創世の神話と黎明期の歴史が描かれる。能力の高さと驕慢な性格でストーリーを引っ張るフェアノールが魅力的。マエズロスとフィンゴンの友情も熱い。エルフの王や公子たちがベルリアンド各地に割拠し、やがて人間の氏族も歴史に登場、モルゴスとの戦いに関わっていくところで上巻は終了。下巻に進みます。2024/05/18
じぇろポーta
3
世の始まりとエルフの誕生。至高の宝玉シルマリル。メルコール(モルゴス)のもたらした荒廃と暗闇。太陽と月の創造。人間、ドワーフ、エルフそしてアイヌール、誰もが傲慢さや憎しみ、欲望から堕落し悪の道に走る可能性があるのが生々しい。底なしの食欲を持つ邪悪な大蜘蛛ウンゴリアントに食われそうになるモルゴス。バルログたちが助けに来なかったら普通に最期を迎えてそうで笑える。自らの邪悪な虚言をエルフや人間に広め、その力を配下の怪物たちに注ぎ込み、中つ国を悪で汚すたびに、モルゴス自身は少しずつ小さく弱くなっていくのも良い。2024/04/05
UCorsair
1
指輪物語に勝るとも劣らない壮大な神話。創造力/想像力だけで、こんな膨大で緻密な世界を描くことができるとは、トールキン先生、すごすぎる…。2025/05/01




