内容説明
なぜ働かなきゃいけないの? よい労働ができない人は、ひどい人生を送る?
労働ばかり称揚する社会を痛烈に批判したアーレントの思想とは。
「働く」を根本から問い直し、一人一人のかけがえのなさをつかみなおす。
「いま」を生き抜くための100ページ〈すごい古典入門〉創刊。
「よい労働ができる人は、よい人生を歩めるし、
そうではない人は、ひどい人生を歩むことになる。
だから若いうちから自分に適した職業を見つけないといけない。
それが人生の至上命令のようになっているのではないでしょうか。
しかし、歴史を遡れば、こうした考え方は必ずしも真実であるとは限りません。」
(第3章「なぜ働かないといけないの?」より)
◆目次◆
第1章 ハンナ・アーレントはどんな人だった?
第2章 働くってどういうこと?
第3章 なぜ働かないといけないの?
終 章 アーレントと冒険に出よう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゅんさん
36
ハンナ・アーレントの『人間の条件』な入門中の入門。とてもわかりやすく読みやすい。巻末にある訳ごとの比較や解説本の説明も嬉しい。これで『人間の条件』に進むぞ!となるかは微妙ですが、少なくとも著者の他の本や他の哲学入門書はもっと読んでみたくなりました。2026/02/20
ケイトKATE
18
本自体、Eテレで放送されている『100分de名著』のテキストと類似しているが、ハンナ・アーレントの『人間の条件』は番組で取り上げてないのと、少しでも知りたいと思って読んだ。『人間の条件』は、人間にとって働くとは何なのか根本から問い直している本である。現代では大事とされている労働が、人間の自発性を失い人と人の繋がりを断ち切っているものだとアーレントは批判している。著者の戸谷洋志は、ハイデガーの『存在と時間』を解説したこともあり、本書も分かりやすく書いている。また、実体験に基づいた解説も良かった。2026/02/07
Ayana
7
今年から始まった古典の入門シリーズ。100ページと薄い本だが、明晰な論理展開のおかげで、よく理解できた。人間を画一化してしまうという点で、資本主義と全体主義が同じ構造を持つということ。個性を奪われた人間は、同時に関係も奪われ、連帯することができなくなるということ。生活を「労働」「仕事」「活動」という概念に分割することで、人間らしい生活とは何かを追求するアーレントの議論は、自分の実感とも繋がり、納得感があった。個性ある人間は、誰でも自由に「新しいこと」をはじめられる。とてもいい考え方だと思った。2026/01/20
しゅー
6
★★★アーレントをいつか読まなきゃと思いながら、ちくま学芸文庫のブ厚さにひるんで読めていない。だから本書の薄さはありがたい。なんといってもNHKのテキスト並みなのだ。本書は『人間の条件』における「労働」「仕事」「活動」の解説が主眼だ。次は新書の解説本に進んでみようかな。2026/02/15
VENA
5
今年から創刊が始まったらしい古典を100ページでまとめてくれる本。結論、例え話やジョークなどを挟みながら丁寧に解説されていたものの、アーレントの思想そのものが難解すぎるあまり、どうにも理解できた感が薄かった。古代ギリシアでは労働とは軽蔑されたものでありながら、現代では「あなたは何をしている人なの?」という問いに対して、自分の職業を名乗るほどに労働が重要視されている現実。 当たり前だが、「今と昔とでは正しいとされてきた価値観も180度変わるんやで」という主張をしているのだとわかった。2026/01/15




