集英社インターナショナル<br> 戸籍の日本史(インターナショナル新書)

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集英社インターナショナル
戸籍の日本史(インターナショナル新書)

  • 著者名:遠藤正敬【著】
  • 価格 ¥1,199(本体¥1,090)
  • 集英社(2025/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797681628

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内容説明

古代律令制時代に生まれた戸籍はなぜ、何のために明治に甦ったのか? そしてその制度が21世紀の今日まで生き続けているのはいったいどういう理由なのか。
夫婦別姓問題、同性婚、このほか種々の国際化の「見えざる障壁」になっている、日本独自の国民管理制度を暴く。
「天皇には戸籍があるか」「江戸時代の戸籍制度は」など、戸籍をめぐる小ネタも満載!

目次

1章 「日本人」としての証明書
2章 「古代の制度」がなぜ復活したのか
3章 明治国家が創り出した「家制度」
4章 戸主という名の「君主」
5章 「婿」と「妾」の国・日本
6章 創り出された「日本人」
7章 早くも現われた「限界」――徴兵制と国勢調査
8章 戦前の「無戸籍」問題
9章 差別の温床として
10章 「大日本帝国」の戸籍――朝鮮、台湾、そして満洲
11章 国破れて「家」あり
12章「日本人」の再編
13章 天皇に戸籍はあるか
14章 『サザエさん』に見る戦後の「家」
終章 戸籍がなくても生きていける

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

134
あって当然と思われる戸籍制度だが、その存在は近現代史を歪ませる原因となってきた。日本の伝統だった夫婦別姓を捨て、アイヌを旧土人扱いしたり前科や賤称まで載せて差別を固定化し、満洲国でも日本人の処遇を優先して国籍法を作らないなど傀儡国家たる現実を露呈させた。新憲法下でも生き残った戸籍は家制度を実質的に保たせ、70年代半ばまで他人の戸籍は覗き放題など制度的欠陥を放置したままだった。マイナンバーが施行された今日、戸籍の存在意義は「血統主義による日本人家族」というフィクションを信じさせるためだけとの指摘は重く深い。2025/11/10

うえぽん

47
古代から現代まで、戸籍を切り口に日本社会や日本人を論じた作品。670年の庚午年籍以降、戸籍は律令国家の根幹だったが、荘園化に伴い、10世紀以降は形骸化。明治新政府が個人をアトム化させない国家編成の手法として、戸主中心の家制度のための戸籍を復活。戦前の無戸籍者や族称の問題、朝鮮・台湾における内国戸籍とは別の戸籍、満州国の民籍法など、戦後すぐには払拭できなかった様々な課題の源流も丁寧に解説。マイナンバー制度の精緻化が戸籍の必要性を低下させると言うが、役割の限定された制度だけに、却って長生きするのかもしれない。2025/12/07

よっち

29
古代律令政時代に生まれた戸籍はなぜ明治に甦り今日まで生き続けているのか。日本独自の国民管理制度の実態を考える1冊。それまで町や村への帰属意識しかなかったものを、国家による国民管理の意図から整備されたもので、徴兵逃れのための戸籍操作や天皇の戸籍の有無といったエピソードや、琉球やアイヌ、台湾、朝鮮などが戸籍で日本に取り込まれた意味なども紹介しながら、戸籍が日本人とは何かという問いに深く関わる制度で、夫婦別姓や同性婚といった現代的課題が、戸籍制度によって見えにくい障壁となっているという指摘は考えさせられました。2025/11/05

さとうしん

15
日本古代の戸籍、江戸時代の人別帳、戦前の戸籍と家制度、そして家制度亡き後の現代の戸籍と住民票制度、その他近代沖縄と北海道、植民地台湾と朝鮮、満洲国での戸籍の扱いと戦後の変転。現代の天皇家の扱いと無戸籍の問題、マイナンバーと戸籍等々、読みやすい語り口で歴史的展開から現代の諸問題まで幅広く扱っている。戸籍を利用した徴兵逃れのテクニックが面白い。「日本人とは何か?」という問題が戸籍制度の展開に現れているというのがよくわかる。2025/10/14

awe

5
戸籍を巡る近現代史を専門とする政治学者の一冊。『戸籍と無戸籍』読まなきゃなあと思っていたら、新書を出してくれたとのことで、気軽に手に取ってみた。薄い新書ながら情報量が多く読み応えあり。◆戸籍はまず大化の改新で徴税のためのシステムとして整備されたが、人々は個々人単位で管理されたため、その管理が行き届かず早晩崩壊した。明治期には、その失敗を踏まえてか、家長を「戸主」を定め、それを通じて「家」単位で人々を統治する装置としての戸籍が創出された。日本国民は、天皇を家長とする家族の一員という体裁が取られ(一視同臣)、2025/12/07

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