岩波新書<br> 多様性とどう向き合うか - 違和感から考える

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岩波新書
多様性とどう向き合うか - 違和感から考える

  • 著者名:岩渕功一【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2025/12発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004320944

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内容説明

多様性は大事だ.一方で,多様性を推奨する言説や態度にどこか違和感を覚えてしまう人も多い.多様性はむずかしく,面倒くさい? 多様性はきれいごとで逆差別? いま私たちに必要なのは,様々な違和感を起点にしながら,しかしその違和感に開き直ってしまうことなく,現実を直視して問い続けること.そのためのレッスン.

目次

はじめに
  多様性について考えることがなぜ重要なのか
  多様性奨励への違和感を問いほぐす

第1章 多様性は豊かさをもたらす?
 1 多様性の現実と出会う――日本とオーストラリア
 2 多様性を称賛する語り
 3 多様性は私たちを豊かにする?
 4 多様性の寛容による差異の管理
 5 多様性は生産的?
 6 多様性が差異を封じ込める

第2章 多様性の奨励にコミットする?
 1 多様性はイノベーションをもたらす
 2 多様性の奨励と差別・不平等の後景化
 3 見せかけのコミットメント
 4 前向きで心地よい多様性
 5 問いとしての多様性
 6 反多様性が照らし出す根源的な問い

第3章 日本に多様性はない?
 1 日本に多様性はない?
 2 多文化社会としての日本
 3 「日本人-外国人」が覆い隠す多様性
 4 多文化共生と「外国人」の限定的な受け入れ
 5 多文化主義なき多文化共生
 6 多文化共生から多様性の奨励へ――何が変わったのか?
 7 「外国人問題」の台頭
 8 差別の深刻さに向き合う
 9 差別禁止法の不在
 10 心の問題を超えて構造・制度を変える

第4章 多様性が押し付けられる?
 1 違和感を問いほぐす
 2 正しさの押し付け?――対話を遮断しないために
 3 一方通行ではない――相互行為としての受け入れへ
 4 全面的な受け入れではない――共感・同調できなくとも
 5 ゼロサムゲームではない――逆差別を超える
 6 構造化された差別・不平等への視座

第5章 他者の生きづらさを自分ごととする
 1 自分ごととする社会的想像力
 2 共感力と向社会的行動
 3 共感から共関へ
 4 特権を学びひらく
 5 連帯の困難さ――協 に向けて
 6 インターセクショナリティと協 

第6章 多様性が封じ込めてきたものを解き放つ
 1 多様性が封じ込めてきたものを解き放つ
 2 「透明化」された隣人の可視化
 3 必ずしも調和的ではない共生の現実
 4 多様性がもたらす豊かさとは
 5 自分ごととして関わり合う学び
 6 批判的は建設的――多様性をモヤモヤと問いほぐす

 おわりに――周回遅れのトップランナーたれ

  参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

50
多様性という言葉を、いつ頃から目にするようになっただろうか。多様性、多文化共生など、それ自体を推進することが日常的であるように思う。一方で、果たして・・と、掛け声倒れのままか・・と思うことも少なくない。そんな状態で、この本に出合えたのは、思考を整理するのにいいタイミング。違和感を、表現していただいていて、なるほどと思う。仕組み・制度と、こころの中の課題。この両方を考えること。また、多様性が謳われる中での差別などの顕在化・固定化ということ。考える視点が多い。2026/03/24

1.3manen

49
封じ込め:多様性がもたらす豊かさという語りが多文化社会を管理統制するものとして機能する。否定、攻撃されているのは、構造化された差異をめぐる差別や不平等への抗議で、解消に向けた現状変革の動き(51頁)。多文化共生は地方住民としての統合推進をまとめた。国レベルの政策や法整備が伴っていない。【多文化主義なき多文化共生】(69頁)。この表現は引っかかった。また、差別は社会で構造化。ゆえに、個人の思いやりだけで解消できない(87頁)。2026/03/01

フム

29
図書館本。多様性という言葉は肯定的に語られて社会に定着しているように思っていたのだが、にわかに大きな揺り戻しが来ていることを選挙期間中に目の当たりにして衝撃を受けた。そもそも多様性とは、企業や組織に様々な背景を持つ人々が存在することで組織が活性化し、豊かな創造を生む、という肯定的な語りで奨励したり称賛されて来た。しかし、本書ではその肯定的な語りこそが差異をめぐる差別の認識やそれを解消する取り組みを封じ込めて来たと述べている。 2026/02/09

jackbdc

11
多様性って言葉がマジックワード化して暴走している弊害が出ている感じがある。オーバーツーリズムやクルド人問題等が面白おかしく広まって、ナショナリズムの高まりと絡み合って、外国人、特にアジアやトルコ系等の人達を色眼鏡で見るような風潮が出てきているのが気持ち悪いところ。その他にも、障害者差別、LGBTや男女問題でもマジョリティに直言するマイノリティのインフルエンサーに対して、バックラシュ的な炎上がネット社会で巻き起こる不穏な空気感が気持ち悪いよね。多様性は強制でも善悪でもいない。自分事として冷静に受け止めたい。2026/03/20

pppともろー

8
多様性が推奨される陰で隠される差異の構造的な本質。筆者の述べる通り、現在謳われている「多様性」は欺瞞に満ちている。2026/02/14

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