内容説明
百済、新羅、高句麗が鼎立した韓半島の三国時代は、日本列島の古墳時代とほぼ重なり合う。
本書はまず第Ⅰ部で、日本列島と韓半島の交渉史を扱う際の問題点全般を提示する。
第Ⅱ部では、国家形成期の百済と新羅の政治・社会・文化を、考古学の最新の発掘成果にもとづき詳述する。
さらに第Ⅲ章では、韓半島南部にあって地理的に日本列島と深い関係を持った加耶、そして栄山江流域を取り上げる。
三国時代の韓半島がどのような社会であったのかを、古墳時代の日本列島との比較から浮き彫りにし、韓半島のそれぞれの地域にとって日本列島の諸勢力がどのような存在であったかを探究する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はちめ
7
前半部分は三国時代の古代韓半島の考古学的研究成果が述べられ、表題については後半部分で記述されている。大変慎重な記述であるが、要するに栄山河地区の前方後円墳と伽耶地区の倭風文物において何らかの倭国と韓半島の交流が推測されるが詳細は判らないということ。土器などの制作年に関する韓国側の研究が精密さに欠けることもあるようだ。十数箇所とはいえかなりの規模の前方後円墳が存在したということは、倭国の政治的又は軍事的指導者が栄山河地区に存在したことを示すのではないだろうか。☆☆☆★2019/07/07
カラコムル711
3
三国時代の新羅、百済、加羅、栄山江流域の考古学の最新の研究成果を知ることができる貴重な書である。嫌韓論がのさぼる現状で、このような客観的学問的論説が得られることは貴重だ。違う他者をそのまま理解し受容することは学問だけでなく人の生き方の基本である。正確に三国時代を知りたい人には必読の書である。2018/03/29
Hamaji_U
2
高句麗を除く韓半島(朝鮮半島)の、日本の古墳時代に相当する時期の考古学について一望できる、難しすぎず、知りたかったことがまとまっていて、程よい、こういう本を待っていました。現代の両国の関係からしばしばヒートアップしがちな議論にも慎重・冷静に考古学的事実を見ようというスタンスのおかげで、本書の手触りはより良いです。2018/02/19
akio numazawa
1
国家社会への道程であった倭は巨大古墳を必要とし、三国時代の韓半島は国家社会間の抗争と相互作用としての城郭と山城を必要とした。2023/01/03
遊動する旧石器人
1
2018年1月25日初版発行。韓半島南部を舞台とした三国時代の考古学とそれとの関連における日本列島の古墳時代認識について書かれた1冊。本書では、百済・新羅の考古学により、韓半島南部の三国時代における各々の特徴を捉え、それを踏まえ、倭系古墳や倭系文物が見られる栄山江流域と加耶について、物質文化的要素のモザイク性を読む。その際、倭系古墳や倭系文物が日本列島外に存在する意味を考える必要がある。つまり、日本列島内と同一文脈で考えていいのかは熟考されるべきで、また逆に日本列島内の文脈さえ再考する必要性も提示し得る。2022/01/15
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