内容説明
「猿がいる」と言い出した同居人。
かすかに感じる、妙な気配。
曾祖母の遺産相続。
胸に湧き上がる不安。
岡山県山中の限界集落。
よく判らない違和感――。
ただの錯覚だ。そんなことは起こるはずがない。だが――。
怖さ、恐ろしさの本質を抉りだす、瞠目の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
223
京極 夏彦は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 怖いのか怖くないのか良く解らないまま、章立てもなく、一気に読まされました。正に、モンキー・マジックでした🐵🐒🐵 https://www.kadokawa.co.jp/topics/15349/2026/01/09
パトラッシュ
193
やむを得ぬ事情で無名の寒村へ向かった人びとが、奇妙な因襲に囚われた村人に対する設定はカフカ『城』を思わせる。日常から切断された世界に迷い込んだ恐怖を描くのは京極作品の常套だが、スマホも使えない岡山の山中とは否応なく『八つ墓村』に相似する。そこまでは作者も計算したのだろうが、加えて野猿の出没が登場人物の心を逆なでする場面は『遠野物語』の「山野山人の伝説を語りて平地人を戦慄させよ」という語りそのものだ。誰も予想しなかったラストに至っては、凄惨な歴史を紡いできた日本の田舎の原風景が逆に侵蝕し始めたかと慄かせる。2026/01/18
優希
75
最初と最後が繋がる感じにゾッとしました。ずっと居心地が悪く、得体の知れない恐怖がじわじわと続いていて、苦しかったです。決定的なことが何も起こらず、淡々と紡がれる物語自体が恐怖でした。この物語は「恐怖」が主体なのでしょうね。不安を掻き立てる空気が終始まとわりついているような感覚でした。最後の1文に鳥肌が立ちます。2026/01/05
HANA
70
祖母の遺産を継ぐために田舎の村へ向かう主人公という著者流の因習村かと読み始めは思って、村のシステムも著者らしい捻りに満ちたものだけど…。まず村に着かない。道中会話が延々続くだけで、しかもそれが登場人物に著者の意見を代弁させてる感が強い。百鬼夜行シリーズだとそれがそのまま事件の雰囲気に繋がるけど、本書の場合それがなく単に話してるだけだしなあ。で六分の五あたりでようやく村に着いたと思ったら、恐怖とはなんぞやという話になり何が起きているのか理解する前に唐突に終わる。もう著者は百鬼夜行シリーズ以外いいかなあ。2026/02/19
Tanaka9999
68
2025年発行、KADOKAWAの単行本。非常に読みやすくすらすら読める。文中で因習や怪異を否定しながら、最後は「怪異」としかいいようがないものにとらわれる。それは主人公だけに起きたことなのか。やはりあの土地をある意味守護する人物は引き継がれるのではないのか。それがパートナーの「猿」化ではないのか。そう考える最後の唐突な場面はかなりの「省略」によるホラー技法といえるのではないだろうか2026/01/20
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