ちくま新書<br> 炎上で世論はつくられる ――民主主義を揺るがすメカニズム

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ちくま新書
炎上で世論はつくられる ――民主主義を揺るがすメカニズム

  • 著者名:山口真一【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 筑摩書房(2026/01発売)
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  • ISBN:9784480077233

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内容説明

刹那的な感情を煽る「ネット炎上」、真偽不明の「フェイク情報/陰謀論」の拡散は以前から問題視されてきたが、今や政治の世界を覆い、選挙結果を左右するまでになった。米大統領選から参院選まで、注目を集めることに最適化した極端な主張を持つ候補者が支持を得た。既存の政治を破壊するネットの論理とメカニズムとは何か。今後ますますスタンダードになるであろうSNSの暴力と、私たちはいかに対峙すべきか。近年、急激に進む政治とネットの融合を、若き第一人者が問い直す。

目次

はじめに──SNSが選挙を動かす時代/第1章 SNSが選挙を変えた年──2024年の衝撃/1 2024年──SNSと選挙の転換点/「石丸現象」という名の地殻変動/ナラティブが選挙を動かした兵庫県知事選/SNSと社会が乖離した2020年都知事選で/利用するが信頼はしていない/2 2025年参院選──加速したSNSの影響/ネットが生み出す熱量/SNSが争点を決めるのか?/既存メディアはネットに負けたのか?/自民党を叩けばフォロワーが増える?/外国の影が忍び込むとき/3 SNS×選挙が人々にもたらしたもの/SNSは候補者をどう変えたか/情報が専門家から一般市民のものに/「偶然の出会い」が投票を後押しする/4 「注目されたもの勝ち」の経済原理は民主主義に何をもたらすか?/政策よりも言葉の強さが求められる時代/「言えば叩かれる」社会/瞬間的な人気が勝ち負けを決める/SNS選挙時代に問われる有権者の行動/第2章 炎上のメカニズム──「言葉の刃」としてのSNS/1 「言葉の刃」が人を萎縮させる/言葉が人を傷つけるとき/誹謗中傷が民主主義を破壊する/知らぬ間に刺さる言葉、気づかぬ痛み/2 炎上する民主主義/怒りの連鎖が議論を消すとき/炎上は熱狂する“少数”から始まる/極端な声が多く見えるのはなぜか?/怒りはネットで拡散しやすい/3 炎上が広がるメカニズムとは?/炎上は加速し、拡散し、そして持続する/メディアとSNSがつくる炎上の連鎖/注目が暴力を生むアテンション・エコノミー/4 誰が炎上に参加しているのか?/世帯年収が高いほど炎上に関わる/誰が炎上を呼び寄せるのか?/その「正義」は本当に必要なのか?/過剰な萎縮という罠/第3章 フェイク──民主主義を揺るがす誤情報/1 フェイク情報が選挙結果を左右する/真偽不明情報が蝕む選挙空間/「フェイク情報元年」には何が起こったのか?/フェイク情報はいつの時代も存在した/日本でも広がるフェイク情報の現実/日本は国際的に見てもフェイクに弱い/陰謀論が政治を揺さぶる/2 実証研究が示す「人はこうして騙される」/フェイク情報に多くの人が騙される/自信がある人ほど騙されるという逆説/陰謀論は誰にでも忍び寄る/フェイク情報が持つ「広まりやすさ」の仕掛け/フェイク情報が民主主義を揺るがすとき/3 生成AIによる「withフェイク2・0時代」の到来/生成AIの光と影/ディープフェイクはすでに社会を歪めている/あなたも見抜けない偽物があふれる社会/誰もがディープフェイクを作れる時代に/誰も「真実」を信じない/AIが虚構の世論を作り出す/「お金」と「政治」のためのフェイク情報/第4章 規制で解決できるのか?──情報流通の社会的枠組みを問い直す/1 法的規制の光と影/法律でフェイクや誹謗中傷に立ち向かう/規制強化のジレンマ/「スリッパリー・スロープ」の危うさ/選挙期間中のマネタイズを規制する/ディープフェイクへの対処/2 民主主義を守るための情報社会設計とは何か?/ファクトチェックは情報環境を変えられるか/ファクトチェックで人々を誤情報から守れるのか?/プラットフォーム事業者に求められる責任/メディア情報リテラシー教育を社会に根付かせるために/技術による対抗の必要性/「怒り」を利用してきた既存メディア/「深さ」でも「わかりやすさ」でも勝てない/揺らぐ既存メディアの優位性/出遅れた日本のフェイク対策/第5章 人類総メディア時代をどう生きるか?──未来への提言/1 人類総メディア時代の生き方/「誰もが発信者」の光と影/フェイク情報の拡散に加担しないためにできること/(1)拡散前にひと呼吸/(2)感情に流されない/(3)「自分だけは騙されない」と過信しない/(1)情報源を確認する/(2)「語り手」が専門家かどうかを見極める/(3)複数の情報を突き合わせる/(4)画像や動画の真偽を疑う/家族が陰謀論にはまったら/誹謗中傷の加害者にも被害者にもならないために/(1)「加害者にならない」ために必要な視点/(2)「被害者になったとき」の最優先課題/2 歴史から「今」を見る/軍事が最も重視された18世紀まで/「いかに富を築くか」を競った産業社会/情報社会の始まり/3 「表現の自由」を軸とした社会的進化/情報社会の発展期に差し掛かった現在/豊かな情報社会への進化/あとがきにかえて──情報社会の未来を生きる私たちへ/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

31
ネット炎上・フェイク情報・陰謀論が政治をどう歪め、民主主義を脅かすのか。SNSの熱狂が現実の投票行動や世論形成に至るメカニズムを、データと事例を交えて解説する1冊。与党批判でフォロワーが増える理由、政策より過激な言葉が優先され、少数派の怒りが多数派に見える錯覚、政治不信が陰謀論を育む土壌が、連鎖的に民主主義を揺るがす過程を分かりやすく解説していて、選挙期間中のSNSの暴力性に発信者・受け手がどう対峙すべきか、炎上が繰り返される中で実践的な方法を提示して、感情に振り回されない重要性を再認識させてくれました。2026/02/09

pppともろー

7
炎上の加害者にも被害者にもならないために。現在は過渡期。悲観的になるばかりでは進まない。2026/02/19

そうたそ

6
★★★☆☆ 真偽問わず、世を賑わせた時点でそれは事実として独り歩きし始める。炎上やフェイクニュース、陰謀論といったものと政治との関わりを解説してくれる一冊。先の衆院選もSNSを巧みに利用できた政党が軒並み勝利を収めた。その逆もまた然り。以前とは違い、政治においてSNSは無視できない存在となりつつある。その影響たるや、時に狂気となり得る。それほど深く突っ込んだ議論はされていないが、その分総じて平易で読みやすい内容。作中で触れられているトピックも最近のものが多く、今のうちに読んでおきたい一冊。2026/02/26

sk

3
SNSの影響力を再認識2026/02/28

O次郎

3
炎上参加者は40万人に1人、炎上参加者は世帯年収と社会的地位の高い人が多い、SNSと既存メディアの共振関係が炎上を加速させる、日本人は米韓と比べて情報検証行為をしない等々いくつもの興味深いデータがあり、面白かった。「私は騙されない」と思っているほど、フェイクを信じやすいというのは詐欺と同じ構図だなと思うなど。現代はまだまだ情報社会の入り口であり、あと100年以上は続くであろうと著者は予測する。虚偽情報溢れる現代社会においてどうやって情報をうまく制御できる仕組みを作るかが我々世代の責務と感じる2026/02/14

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