内容説明
“誰もが誰かの、台風の目。スリリングで笑えて、変てこで温かな嵐の一夜。” 一穂ミチ氏、共鳴!
「最高なことは、最悪のときに起きるのかもしれない」
もしも自分にとって「いちばん会いたくなかった人」に再会してしまったら――嵐を前に避難所に偶然集った中高生や大人たち。そこで期せずして再会したそれぞれの“黒歴史”の相手。湧き起こる恋心、後悔、秘密、恥、宙ぶらりんの夢。そして、漆黒の過去との決着……。
時に不条理で、時に甘酸っぱい運命に翻弄されながらも、本気で笑って、泣いて、もがく大人や若者たちの様をエモーショナルに描く、一気読み必至のエンタメ青春群像小説!
【あらすじ】
好きな同級生に素直になれない男子高校生の厳(ごん)。夫婦関係に埋めがたい溝を感じる詩伊(しい)。女性に不自由したことはないが忘れられない元カノがいる山内(やまうち)。妻子にとある女性との情事を隠している真面目な銀行員の日出樹(ひでき)。見た目のコンプレックスで人前でマスクを外せない女子中学生の小梅(こうめ)。大切なものを探すため故郷へ戻ってきた亜揮(あき)。
嵐が近づき、期せずして同じ避難所へ集まった彼らが再会したのは、それぞれの「いちばん会いたくなかった相手」。夜の嵐に閉じ込められた体育館で、本来交わるはずのなかった人々の間に新たな化学反応が生まれ、過去との決着を求めて止まっていた時計の針が動き出す。誰もが、愛する人を求める心や捨てたい感情、秘密を抱え、もがいている。果たして嵐がもたらすのは、災厄か、それとも僥倖か――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
134
「歴史を無駄にしたくない一心で、未来を無駄にするの?」終わり近くのこの言葉が刺さる。そして、この街で無常を繰り返すのは私もなのだ。避難所で自分にとって「一番会いたくなかった人」に再会してしまったら・・ドキドキする場面設定なのだけれど、ちょっと笑えてしまう人々がいて面白おかしく読んだ。一木さんらしさも散りばめてはあるにはあるが(当方比)とにかく嵐が来るっていうのに、それぞれに違う嵐が吹き荒れて、そう!踊ってた。そんな感じ。誰にも感情移入できずの私だったが、私だったら避難所でどうしただろう・・汗2026/02/14
モルク
104
嵐の夜避難所に集まった人々、その中にもし元彼(彼女)や因縁の相手がいたら…そんな偶然が重なる。出来ることなら会いたくない、ましてやこんな場所で。前半は登場人物の多さとその情報量そしてその名前、厳(ごん)やら耒良(らい)やら中国物でもないのにめんどくさい。青春あり、ドロドロの恋愛あり…喜劇的な要素、アオハルの甘酸っぱさもある。こんな狭い場所で、知らんぷりしてるようでもきっと興味津々の衆人の中でよくもまあ…。でも、みんな名前で出てくるのに、モテ男スーパーの店員「山内」だけは名字なのはなぜ? 2026/03/30
ma-bo
103
一木さんの作品は初読み。嵐が近づき同じ避難所に期せずして集まった中高生や大人たち。それぞれのいちばん会いたいけど、会いたくない相手...そんな人達の様々な思惑が絡み合い一夜に繰り広げられる群像劇。他人の目に触れる所で現実に直面、話さなくてはいけない状況となる。恋心、コンプレックス、親への思い。青春もあれば、大人のドロドロや秘密あり。嵐の中で踊れ、嵐が一夜がもたらしたのは?2026/05/07
fwhd8325
85
ものすごい群像劇を見ているようでした。あまりに個性的で事情ありの人物たちに、圧倒されるというか、人あたりしたような感覚です。商業ベースには乗りにくいかもしれないけど、映像よりも演劇、それもミュージカルに仕立ててくれたら面白いと思います。一木さんの世界は、どんどん走ってくるから、追いつくのが大変。2026/04/07
いたろう
82
台風の夜、避難所になっている、近くの中学校の体育館に避難した、子どもから大人まで、様々な人々の群像劇。会いたい人も、会いたくない人も、否応なしに一堂に会することになる、避難所という限られた空間で、心に悩みを抱えた者たちが、現実に直面せざるを得ない状況となり、人の目をはばかる関係にある者たちが、大勢の目に触れるところで遭うことになる。台風のただ中にあって、人の心にも吹き荒れる暴風雨。それでも、台風が行くと、天気は良くなるもの。一夜が明け、台風一過は晴れやかに。人々の心も晴れやかに、前向きになったと信じたい。2026/03/09




