スポーツ・クリティーク

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スポーツ・クリティーク

  • 著者名:町田樹【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 世界思想社(2026/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784790718055

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内容説明

スポーツ文化という広大な沃野をどのように耕し、次代へと受け渡していくべきか――。
元アスリートとして培ってきた実践知と、現スポーツ研究者として研鑽している学問知。競技者としての「内の目」と、研究者としてスポーツ界を客観視する「外の目」を兼ね備えた著者が、その複眼的な視座を駆使し、現代スポーツに対していかなる批評が可能かを模索し実践する。

「スポーツ批評」という切り口で、「批評」という表現手段の復権を叫ぶ書!
競技者から学者になった「越境者」だからこその誠実な言葉。
町田先生、すごいことになってます!
――サンキュータツオ(漫才師/東北芸術工科大学文芸学科准教授)

【目次】
序章 スポーツ・クリティーク――その役割と意義
Ⅰ スポーツと社会を媒介する
 第1章 スポーツと社会
 第2章 アリーナの今と未来
 第3章 オリンピック批評
 コラム スポーツにおける感動の意味
Ⅱ スポーツが育む心身
 第4章 スポーツと教育
 第5章 アスリートの健康
 コラム 北京オリンピックのドーピング問題
Ⅲ スポーツを通じて哲学する
 第6章 スポーツの本質を求めて
 第7章 生きる身体との対話
 第8章 本との対話
 コラム アスリートとして経験し、研究者として叩き上げる
Ⅳ スポーツとアートを結ぶ
 第9章 スポーツとアート
 第10章 アーティスティックスポーツと著作権
 コラム フィギュアスケート界における音楽著作権管理システム改革の兆し
おわりに――ペンを持ってスポーツを生きる
初出一覧

本書は、『毎日新聞』連載〈今を生きる、今を書く〉において、二〇二〇年十月から二〇二四年十一月にかけて掲載された文章を中心として、四つのテーマで部立てし再編・加筆修正を行ったものです。

【「序章」より】
業界の中にいるからこそわかることは確かにある。いわば「内の目」でないと見えないことがあるということだ。ところが、一つの業界に長く居続けると、それ以外の世界からすれば考えられないような常識や慣習を普通だと思い込んでしまう恐れがある。そのようなバイアスが内の目にかかってしまっている場合、たとえ問題がそこにあったとしても気づくことができない。まさに「井の中の蛙」状態である。実際一九九三年から二〇一四年まで、私は競技者として二〇年以上もスポーツ界の中心にいながら、そこにあるはずのいろいろな問題に気づくことができなかった。しかし競技引退後に、研究者として学術的な知見を身につけていくと、この内の目にかかったバイアスが徐々に薄れ、それまで見えなかった問題が見えるようになっていったのである。それはすなわち、業界を冷静かつ客観的に見ることのできる「外の目」が培われたということなのだろう。こうして内の目と外の目を兼ね備えた複眼的な視座からスポーツ界という社会を見直してみることで、初めて顕在化する問題があるのだということを、研究者に転身した私は身を以て知るに至ったのである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

pohcho

61
オリンピックでの知的でわかりやすい解説が大好評だった町田さん。言葉については、現役時代から独特のセンスをお持ちだったなあと思う。本書はスケートに限らずスポーツ全体について批評されていて、少し難しいところもあったが「言葉の存在を強く信じて表現し続けたい」という熱き思いに心打たれた。2026/04/06

ほんメモ(S.U.)

13
スポーツ論をまとめたものとして、非常に質の高い一冊だと思いました。クリティーク(批評)というものは、えてして問題提起だけに終始し結論が曖昧であったり、新たな提案があったとしても理想論に過ぎなかったりしがちだけど、町田さんはスポーツに関する様々なトピックについて持論をしっかり展開し、ひとつひとつにナイスな解決案を披露してくれていました。特になるほどと思ったのは、『二極化する全中の存在意義』などのスポーツと教育の在り方と、『どこまでが自分の内側で、どこからが外側か?』などのスポーツを通じた哲学的考え方でした。2026/02/25

かりん

5
5:《スポーツとその周辺への真摯な向き合い。》毎日新聞の連載をテーマごとに編集した批評の本。丁寧な状況分析と、競技者・解説者・研究者等としての実体験が合わさり、町田節とでも言うべき真摯な向き合いが感じられる。興味深い実況席の①〜⑦、IOC本部で感じたオリンピアンかつ研究者としての自己アイデンティティの揺れ、能力を最大化する形で出るくいの個性と自由を奪いかねないAI、痛みの向こう側と体罰の関係、外側とは自分が直接触れることのできる内側…など。自分の生活に取り入れるという意味では、外側を整えたいところである。2026/03/28

EKKO

5
毎日新聞の連載を四つのテーマで再編したもの。 アーカイブ、著作権、ジェンダー、AIとの関わりなど、これまでこういう視点でスポーツを考えたことがなかった、という事柄ばかりでとにかく全て興味深かったです。法や制度のちょっと硬めな話題から、テレビの実況解説の苦労話など親しみやすい話題もあってバラエティに富んだ内容でした。 スポーツの進歩史観の見直し、アスリート技術的進歩は無限大ではない、そんなときスポーツ競技はどんな風に変わっていくのか、というお話がとくに印象に残りました。スポーツ好きの人は是非読んでほしい。 2026/01/27

もけうに

4
舐めていたわけではないが、普通に面白かった。まさにスポーツ哲学。自分の内側のことはわからないが、外側(環境)なら制御できる、だから自分の外側は内側…という思索は、哲学専攻だった身としては深く頷ける。スポーツを言葉で定義、批評しようとする真摯な姿勢が伝わる。哲学に於いて言葉は重要。解説者席の様子など、現役解説者ならではの話も興味深い。2026/04/21

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