内容説明
私たちはもう、「射精責任」という言葉がない世界には戻れない――。
「望まない妊娠」は男性の「無責任な射精」が原因であると喝破したことで、刊行直後から大きな話題となったガブリエル・ブレア『射精責任』(村井理子訳、齋藤圭介解説)。そこからさかのぼること約30年前、日本ではすでに、男性の射精とその責任をめぐる議論が行われていた。
蓄積された知見を蘇らせるだけでなく、第一線で活躍する13名の研究者が現代における課題をそれぞれの専門領域から議論した。男性と射精をめぐる議論の現在地と、進むべき道を明らかにした論文集。
■所収論文一覧
齋藤圭介 ガブリエル・ブレア『射精責任』と日本の射精責任論
沼崎一郎 〈孕ませる性〉の自己責任――中絶・避妊から問う男の性倫理
宮地尚子 孕ませる性と孕む性――避妊責任の実体化の可能性を探る
森岡正博 膣内射精性暴力論の射程――男性学から見たセクシュアリティと倫理
伊藤公雄 男性の「ケアの力」という課題――射精責任論とマスキュリニティ
赤川学 『射精責任』と精子の行方
森岡正博 男性の射精責任をどう考えるか
多賀太 生殖に関する責任の共有に向けた男性支援へ
江原由美子 「射精責任」と「女性の自己決定権」
菅野摂子 性的同意と射精責任
塚原久美 女性のリプロと男性の射精責任
竹家一美 孕ませられない責任――男性不妊の文脈で「射精責任」を考える
新ヶ江章友 異性間による射精責任を相対化する――同性間による人工授精とHIVの文脈から
中真生 生殖する身体から避妊や妊娠の責任を考える
齋藤圭介 男性の射精とその責任をめぐって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みんな本や雑誌が大好き!?
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約30年前、日本ではすでに、男性の射精とその責任をめぐる議論が提示されていたそうです。その論文、沼崎一郎の「〈孕ませる性〉の自己責任――中絶・避妊から問う男の性倫理」がまずは冒頭に収録。その論文や『射精責任』の問題提示をめぐって、十数人の方々が、ああだ、こうだと論じ合っています。学術的論文のようで、註釈もたくさん付与されています。個人的には、赤川学氏の「『射精責任』と精子の行方」などを面白く読了。タイトルに「孕ませる」という言葉も出てきます。ポルノ小説のタイトルに、この言葉がよく使われているようです。2026/01/21
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