氷上旅日記[新装版]:ミュンヘン―パリを歩いて

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氷上旅日記[新装版]:ミュンヘン―パリを歩いて

  • ISBN:9784560094556

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内容説明

「あのひとを死なせるわけにはいかない。ぼくが自分の足で歩いていけば助かるんだ」――重病の親友の快復を願かけて、ミュンヘンからパリへ向かい、雪と氷のなかを彷徨し、魂に呼応するような風景と忘れられたような人びとに出会う……。ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才が綴る孤高の幻視行。

最新作『歩いて見た世界』の監督による孤高の幻視行

鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督は、人間と自然の壮大なドラマをテーマにした映画で広く知られる。『アギーレ・神の怒り』『フィツカラルド』など初期の代表作から最新作『歩いて見た世界』まで、野心的な作品は高い評価を受け、数々の映画賞を受賞している。
一九七四年十一月、ヘルツォークはパリにいる友人の映画評論家ロッテ・アイスナーが重篤と知らされる。自分の足でパリまで歩いていけば、アイスナーの病は治る……と願をかけ、真冬のミュンヘンを発つところからこの日記は始まる。
痛む足をひきずりながら、死んだような小さな村をいくつも通り過ぎ、空き家に泊まり、田舎道を彷徨する。あるときは、自分がまだ人間の姿をしているのを確かめようとガソリンスタンドのトイレに駆け込む。やがて寒さに凍えるカラスを兄弟のような感情を抱くようになり、リンゴの実がすべて落ちるまで木を揺さぶった直後の静寂に、孤独と疲労が頂点に達する……
研ぎ澄まされた感覚で、魂を震わすような自然に身を投じるヘルツォークならではの眼差し。極寒のなかをひたすら歩く真摯な姿と、狂おしいまでの思いが読者の心を打つだろう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

マリリン

40
ミュンヘンからパリへ、約3週間凍てつく空気の中雨や雪の中を歩き続けたヤドカリ...いや、傍若無人のような旅日記。自分の足で歩いて行けば助かる...というのはあくまでも表向きなのか? 恩人アイスナーとの思い出を回想するでもなく、その視線が捉えたものは白い動物だったりアヒルや犬や出会った人々や建物など...。牛乳の空箱を川に投げ入れたりと、美しい装幀に似つかわしくない内容と文体は好みが分かれるかもしれない。著者が作成した映画もあるらしいし、登山家?旅行家? 久しぶりに後味が芳しくない読書になった。 2022/10/02

紫羊

19
パリに住む恩人が重い病を得たという知らせを聞いたヘルツォークが、ミュンヘンからパリまで歩いて恩人に会いに行く旅の記録です。初冬のヨーロッパ、雨や雪、嵐の中、自分がパリまで歩いて行けば恩人は回復すると信じて、過酷な旅を続ける。その作品同様、ヘルツォークは情念の人だった。2022/09/11

ぱせり

8
タイトルは「旅日記」だけれど、これは、紀行文ではないし、何かの記録でさえない。自分自身や架空の人間との長い対話。旅人の深い孤独は、読み手にとって、徐々に心地よいくらいになってくる。次第に感覚を研ぎ澄ませ、深く深く、より深いところまで降りていく、それだけ。修行僧の姿のようにも見えてくる。2024/02/26

qoop

8
恩人の不治の病を知った著者が、半ば自棄で行ったミュンヘンからパリへの徒歩旅行の記録。晩秋〜冬の凍てつく大地、色のない街並み、増える愚痴、荒む気持ちのやるせなさ。凍てた景色が心情と重なり、叙景と叙情が重なりあう。著者の撮った映画では、映像がそのまま情感を写していたろうか。時代もあろうが器物損壊と不法侵入をものともしないアナーキーな言動にも驚かされる。2022/07/27

justdon'taskmewhatitwas

5
読まれることを前提として書いた訳ではないメモだったが、読み返し「奇妙に心動かされ」、「見知らぬ人にも読んでもらいたい」と公開された日記。確かに面白いのだが、ストーリーとか考えてる事がそうなのかというとそれだけでも、そういうわけでもなく、どこがどうなのかよく解らない(…そこが彼の映画のようだというのは安直過ぎだろ)。記された地名を辿ってGoogleMapを開くとほぼほぼ西進しているのが判る。ミュンヘンとパリはほぼ同緯度(北緯48°8’と51')上にあるのだった。2022/11/04

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