内容説明
あの子の輝きに、生かされている。
千葉県富津市の清掃会社に勤めるハチこと町谷亜八は、過去に傷害事件を起こし執行猶予中の身。ようやく手に入れた「まっとうな暮らし」からはみ出さぬよう日々を生きている。唯一の愉しみは祖父の遺したアウディでアクアラインを走ることだった。ある日、血の繋がらない姉・ロクから数年ぶりに連絡が入る。二人の弟、キュウを脅す人物が現れたという。
キュウにはダンスの天賦の才があった。彼の未来を守るため、ハチとロクは、かつてある罪を犯していた。折しも華々しいデビューを飾りキュウは急速に注目を集め始めたところである。事件が明るみに出ればスキャンダルは避けられない。弟のため、ハチは平穏な日々から一歩を踏み出すことを決意するのだが……。
一方、ロクの同棲相手である本庄健幹は彼女の行動に違和感を覚えだす。言いようのない不安を解消するため、健幹はロクの故郷・富津に向かった。あてもなく情報を探るうち、首に刺青を入れた男と出会う。彼もまた、町谷の家を探していた。
抗えない圧倒的な〈現実〉、そして守るべき日常。そのなかでそれぞれの愛を貫こうとする人々。コロナ禍の日本を舞台に突如現われたカリスマをめぐる、最高速度の物語。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『Q』 の文庫版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
22
コロナ禍の千葉・富津を舞台に抗えない圧倒的な〈現実〉、そして守るべき日常のなかでそれぞれの愛を貫こうとする、突如現われたカリスマをめぐる物語。清掃会社で働いてまっとうな暮らしを守ろうとしていたハチのもとに、弟キュウを脅す人物が現れたと血の繋がらない姉ロクからの連絡が入り、執行猶予中のハチが弟を守るために再び境界線を越える決意を固めていくストーリーで、そこには血は繋がらなくても歪で濃密な3人の家族としての絆があって、守るべき日常と抗えない現実の狭間で、ハチがどこまで加速していくのか続きが気になる上巻でした。2025/12/06
nami1022
9
序盤は正直、どんな物語なのか掴めず探り探りで読み進めたけど、3分の1ほど読み進めると、いつの間にか夢中になっていました。まるで登場人物たちがQに惹きつけられるかのように。下巻も楽しみです。2026/01/08
タッキー
7
帯と作者に惹かれて書店で衝動買い!アタリました!退廃的な雰囲気を纏った世界観の下、血のつながっていない3人の兄妹を中心としたストーリー。しっかり者のロク、執行猶予中のハチ、芸能事務所に所属するキュウ、この3人の個性が際立っていて、いずれも危ういところがあり、そこがよかったです。「才能は持って生まれたものではなく、自分にふさわしいものに出会えること」とのこと。その才能を持つキュウをスター?にするために、ロクとハチの異常なまでのこだわりぶりが、どこに向かうのかが楽しみな展開。2人の関係性も含め、下巻が楽しみ!2026/01/04
numno1
7
主人公を取り巻く貧困と暴力。唯一の宝である義弟・キュウに漂うフラジャイルな雰囲気。どう転んでも幸せに終わる感じはしませんね・・2025/12/21
俊
6
🌟🌟🌟🌟🌟 ミステリアスな序盤は若干読みにくいがそこからは怒涛のスピード感 映画「爆弾」が大ヒット中だがそれを遥かに凌ぐ面白さ 適度なバイオレンスとサイコパス 上巻で張られている伏線がどうなるのか?読む手が止まらない 2025/12/09




