内容説明
日本漁業が危うい。担い手は減り続け、生産量は40年前から7割減、30年後には漁業者がいなくなり、日本人の食卓から国産魚が消えるという声もある。中国との漁獲競争、温暖化による環境変化、エネルギーコスト上昇など、かつて世界一の漁獲量を誇った漁業を取りまく状況は極めて深刻だ。輸出拡大や企業進出、資源管理など、国が進める水産業改革は本当に有効なのか――漁業と魚食文化を守るために、渾身の論考!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
67
漁業研究者による日本漁業の現状と課題に関するレポートで、とにかく著者の「漁業愛」が溢れている。養殖以外の漁業は野生動物を獲得する「自然の恵み」であり、再生可能性が極めて高いと評価、さらに日本の漁業は漁民たちが乱獲を防ぎ資源を護ることを、長い歴史のなかで自主的にやってきたとする。この内容からすると本のタイトルは不適切。政府の政策以上に漁業に認識の薄いマスメディアへの批判も強い。漁業を宇沢弘文の「社会的共通資本」と位置づけることには共感を覚えた。ただしばしば指摘される食糧不足などは根拠を示してもらいたかった。2026/01/15
よっち
24
担い手は減り続け生産量は40年前から7割減、30年後には漁業者がいなくなり、かつて世界一の漁獲量を誇った日本漁業を取りまく極めて深刻な状況解説する1冊。世界的な食料不足を背景に、メディアが騒ぐ乱獲や資源減少について、海洋大循環や近海海流に基づいた状況、柔軟に適応する漁業の可能性を提示する一方、国が進める水産業改革や養殖ブームへの過剰期待について、資本による資源独占リスク、労働・漁場限界、餌・種苗不足を指摘し、日本の実情とのギャップを浮き彫りにする内容になっていて、日本の漁獲量減少を考える一助になりました。2026/02/02
鴨長石
3
現状の日本漁業を擁護するかなり偏った本という印象が強い。実際、世界の漁獲量が拡大する中で日本の漁獲量が減少の一途を辿っているのは厳然たる事実であり、それにを解決する方策はほとんど提示されていない。唯一言及があるのが漁業者への直接支払いの大幅拡大だが、農業の現状を見るとそれが解決策になるとは到底思えない。もっと客観的で精緻な分析がなされた本を探したい。2026/01/28
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