平原のモーセ

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平原のモーセ

  • ISBN:9784093567640

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内容説明

中国東北部発世界文学行き。

中国現代工業の一大拠点だった瀋陽市鉄西区は、90年代の改革開放の波に乗れず経営破綻が相次いだ。地元出身の著者が土地に息づく5つの物語を掬った初の邦訳短編集。新文芸誌「GOAT meets」掲載で大反響!

文革の記憶を引き摺る家族と、工場にリストラされた父娘。
連続殺人事件を機に運命は交わる。(「平原のモーセ」)

貧民街に暮らす少年はある日、非行少女と石炭工場に忍び込む。(「グラードを出る」)

その冬、僕は父と離れて街外れの教会に住む叔母のもとへ向かった。(「光明堂」)

亡き父の言葉を残し、伯父は闇夜に飛び立った。(「飛行家」)

小説家は、他人の未発表原稿に、自分しか知らぬはずの真実を見た。(「北方は無に帰す」)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

36
まるで長篇小説かと錯覚するような密度。特に表題作。あの登場人物の数が動くヒューマン・ドラマを、僅か100頁に満たない短さでなんとも鮮やかに纏め上げているのだ。舌を巻いた。暗いトーンの純文テイストではあるが、中国の暗い時代とそこに生きる人々の情念が混淆して生み出されたミステリー小説の佳品でもある。一篇一篇の満足感が並外れた短篇集。これからも要注目の作家だ。2026/02/04

えりまき

16
2026(69)連作短編集。平原のモーセ/グラードを出る/光明堂/飛行家/北方は無に帰す。中国内の政治や日本との関係。大久保洋子さんの翻訳はとても読みやすいけど、登場人物の3文字の漢字氏名がなかなか覚えられなくて、時間をかけてやっとの読了。 2026/03/15

taku

15
喧騒や誇張がなく、妙なパワーを押し出してこないから読んでいて疲れない中国文学。寂れた街を舞台に、断片的にノスタルジーを紡いでいる地味なイメージだけど、余白から受け取れるものは控え目じゃない。表題作は読み返した。それぞれの過去や関係がわかっていたら、見える景色も違って一層味わい深くなる。そんな小説はいいなと素直に思えた。他の4編だけなら悪くない短編集までだったはず。ドラマも観てみたい。2026/03/11

おだまん

12
文革の影を引きずった街と人。全体的にモノトーンがかった雰囲気の短編集。 表題作のタイトル回収のラストがよかったです。風景が思い浮かぶような。映画やドラマになっているようです。短いけれど、グラードを出る、も沁みるものがありました。2026/03/24

しんい

9
2020年代の中国で書かれた小説ということで、SF以外で初めての読書体験でした。中編集で、文学は得意ではないのですが、それぞれが印象深い物語でした。他の作品でも感じましたが、過去と近年のキリスト教布教による近現代中国社会への(少なくとも文学における)影響は、とくに戦前と文化大革命以降においてとても大きいものなのだな、と思いました。社会へのインパクトという観点では、400年前や明治維新後にも徹底的に弾圧があったためなのか、それ以外の理由もあるのか、日本とは大きな違いを感じます。2026/01/26

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