岩波文庫<br> 保元物語

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岩波文庫
保元物語

  • 著者名:栃木孝惟【校注】
  • 価格 ¥1,353(本体¥1,230)
  • 岩波書店(2025/11発売)
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  • ISBN:9784003010891

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内容説明

平安末期,鳥羽院の崩御を機に,嫡子崇徳と同母弟後白河との間で王権をめぐる骨肉相食む争いが勃発,両者の確執は摂関家と武家をも巻き込み,国家を分断する一大抗争へと発展した.史上,保元の乱で知られる争乱をえがいた本作は,物語の名のもと,歴史の真実と人間存在の機微を深く見すえる.九十年ぶりの新校訂版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

凡例
巻 上
巻上あらすじ
後白河院御即位の事
法皇熊野御参詣 並びに 御託宣の事
法皇崩御の事
新院御謀反思し召し立つ事
官軍方々手分けの事 並びに 親治等生け捕らるる事
新院御謀反露顕 並びに 調伏の事 付けたり 内府意見の事
新院,為義を召さるる事
左大臣殿上洛の事 付けたり 着到の事
官軍召し集めらるる事
新院御所各門々固めの事 付けたり 軍評定の事
将軍塚鳴動 並びに 彗星出づる事
主上三条殿に行幸の事 付けたり 官軍勢汰への事
巻上補注
巻 中
巻中あらすじ
白河殿へ義朝夜討ちに寄せらるる事
白河殿攻め落す事
新院,左大臣殿落ち給ふ事
新院如意山に逃げ給ふ事
朝敵の宿所焼き払ふ事
新院御出家の事
勅を奉じて重成新院を守護し奉る事
関白殿本官に帰復し給ふ事 付けたり 武士に勧賞を行はるる事
左府の御最後 付けたり 大相国御歎きの事
巻中補注
巻 下
巻下あらすじ
謀反人各召し捕らるる事
重仁親王御出家の事
為義降参の事
忠正,家弘等誅せらるる事
為義最後の事
義朝の弟共誅せらるる事
義朝の幼少の弟悉く失はるる事
為義の北の方身を投げ給ふ事
左大臣殿の御死骸実検の事
新院讃州に御遷幸の事
左府の君達 並びに 謀反人各遠流の事
大相国御上洛の事
為朝生け捕り遠流に処せらるる事
新院血を以て御経の奥に御誓状の事 付けたり 崩御の事
為朝鬼嶋に渡る事 並びに 最後の事
巻下補注
校異一覧
人物一覧
付図
皇室略系図
藤原氏関係略系図
桓武平氏略系図
清和源氏略系図
大鎧着装図
伊豆諸島図
校注者解説(栃木孝惟)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

54
天皇家の跡目争いに端を発し、摂関家・武家を二分させ、武家社会の台頭と貴族政治の終焉のきっかけともなった保元の乱。本書はその歴史の転換点を克明に写し取ったノンフィクションである。当時は禁忌とされた醜聞を交えつつも描かれるは、掛け違いによって家族を討ち、辱めを受けない為に自害し、子とも引き離され、首実検として遺体すらも掘り起こされる戦の悲惨さだ。経典を突き返された崇徳院が祟る説話はここからだったのか。一方、源為朝が琉球へ逃げ延びた事実からありえたかもしれない未来を膾炙した「椿説弓張月」が生まれたと思うと熱い。2025/11/16

sayan

20
本質は社会の全階層を貫く暴力の連鎖だ。ジラールが説く近親ゆえに互いが合わせ鏡となって暴走する暴力は貴族の兄弟対立(崇徳対後白河)に留まらない。その実働部隊=武士間でも源為義・義朝親子等の相克が並行発生し権力のバグが父を斬る子を不可避にした。この無秩序な暴力は犠牲を捧げる事で秩序回復を志向する。サウル王からダビデへの王権移行が神の正義へ回収される聖書に対し本作は崇徳院の怨霊化、即ち敗者の永続的な保存という異質の結末を選ぶ。解決を拒み不条理を恨みで凍結させる日本特有の精神史。救いなきこの保存は何を鎮めるのか。2025/12/19

春風

12
光文社古典新訳文庫で刊行中の曲亭馬琴『椿説弓張月』が10月はお休みで、それにぶつけるように岩波が原作ともいえる『保元物語』を刊行してきたので手に取る。為朝の快刀乱麻を断つが如きの大活躍の連続かと思いきや、そのような保元の乱の戦闘描写は意外と短く、乱後の悲愴極まる戦後処理が印象深い軍記物語であった。戦前戦中戦後の展開の緩急が際立っており、800年前の作品とは思えないほどに文学として楽しめる。なにより、死が身近であったであろう当時の悲愴で無惨な現実を見る思いであった。2025/11/09

アメヲトコ

10
保元の乱の一部始終を描く13世紀の軍記物。子供の頃読んだ少年少女日本の歴史の描写はかなりこの物語をベースにしていて、読んでいて絵が浮かびました。崇徳上皇はかなり気の毒ですが、史実の方がもっと悲惨という。源為朝が主人公格で活躍しますが、左腕が右腕よりも長いゆえの強弓って、左腕の長さを活かして美しいアーチを放っていた田淵幸一さんみたい。2025/11/20

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