日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション――人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別

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日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション――人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別

  • ISBN:9784750351179

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内容説明

★荻上チキ・Session「荻上チキのおすすめ本」で紹介! (TBSラジオ、2021年1月1日)

BLM運動の盛り上がりの背景にあるのは……。ヘイトスピーチ、ヘイトクライムの基層をなすのは……
いま新たに注目される差別概念「マイクロアグレッション」の全容がわかる基礎的かつ最重要文献。

「あからさまな」差別と対比され、あいまいな、無意識で見えにくいが重大な結果をもたらす差別を「マイクロアグレッション」として明確に位置づけ、その内容・メカニズムや影響、対処法を明らかにした、いま必読の書。

目次

日本語版への序文
序文
はじめに
謝辞
著者について
セクション1 マイクロアグレッションの心理的な表れ方とダイナミクス
第1章 マイクロアグレッションとは何か――人種・ジェンダー・性的指向に対するマイクロアグレッションの表れ方
人種的マイクロアグレッション
ジェンダーに関するマイクロアグレッション
マイクロアグレッション、マージナリティ、そしてその有害な影響
その次の一歩へ 「見えないもの」を見えるように
第2章 マイクロアグレッションの分類
意識的かつ意図的な偏見と無意識的かつ意図的ではないバイアスとの比較
環境に埋め込まれたマイクロアグレッション
マイクロアグレッションの形式
マイクロアグレッションのテーマ
その次の一歩へ マイクロアグレッションの隠されたメッセージを定義、認識、分析する 82
第3章 マイクロアグレッションにより生じる心理的ジレンマとそのダイナミクス
人種的リアリティの衝突
意図的ではないバイアスの不可視性
マイクロアグレッションに対する過小評価
マイクロアグレッションへの反応におけるキャッチ22状態
その次の一歩へ 心理的なジレンマを取り扱う
セクション2 マイクロアグレッションの標的と加害者に対する影響
第4章 マイクロアグレッションのプロセスモデル――発生から結果まで
マイクロアグレッションのプロセスモデル
その次の一歩へ 逆境を生き抜く強さ
第5章 マイクロアグレッションが引き起こすストレス――身体および精神の健康に与える影響
生理学的なストレッサーとそれが引き起こすこと
心理的・社会的ストレッサーとそれによる影響
マイクロアグレッションと日常に起こる小さなイライラ(デイリーハッスル)
マイクロアグレッシブなストレスによる影響
その次の一歩へ マイクロアグレッションに対処する
第6章 マイクロアグレッションの加害者と抑圧――野獣の本性
抑圧、抑圧者、そしてマイクロアグレッションの加害者
存在が見えない白人性――野獣の本性
マイクロアグレッションに対する潜在的偏見の関係
加害者に対する抑圧(マイクロアグレッション)の心理的コスト
その次の一歩へ 倫理的使命
セクション3 集団固有のマイクロアグレッション―人種、ジェンダー、性的指向
第7章 人種/民族に関するマイクロアグレッションとレイシズム
古典的レイシズムから現代的レイシズムへ――変化した偏狭さ
人種的マイクロアグレッションとアフリカ系アメリカ人
人種的マイクロアグレッションとアジア系アメリカ人
人種的マイクロアグレッションとラテン系/ヒスパニック系アメリカ人
人種的マイクロアグレッションとアメリカ先住民
その次の一歩へ さまざまな人種グループの類似性と差異
第8章 ジェンダーに関するマイクロアグレッションと性差別
古典的性差別から現代的性差別へ――変化した偏狭さ
ジェンダーにかかわるマイクロアグレッション
ジェンダーのマイクロアグレッションの有害な影響
その次の一歩へ ジェンダーのマイクロアグレッションを克服すること
第9章 性的指向に関するマイクロアグレッションと異性愛主義
合衆国におけるLGBTの人口
精神障害と正常への志向
あからさまな反LGBT感情から不可視の異性愛主義へ
性的指向に関連するマイクロアグレッション
性的指向に関連するマイクロアグレッションの有害な影響 318
その次の一歩へ 異性愛主義の克服
セクション4 雇用、教育および心理支援におけるマイクロアグレッション
第10章 職場と雇用におけるマイクロアグレッションの影響
職場と雇用におけるマイクロアグレッション
職場におけるマイクロアグレッションへの対処
職場・雇用:全体的なバイアスとマイクロアグレッションの克服
その次の一歩へ 個人のバイアスとマイクロアグレッションの克服
第11章 教育とマイクロアグレッション――教室での人種に関する困難な対話の促進
教育におけるマイクロアグレッション
教室における人種についてのマイクロアグレッションと困難な対話
教室における人種をめぐる対話
その次の一歩へ 人種に関する困難な対話に効果的なファシリテーターとなるために教育者は何を しなければならないか――マイクロアグレッションの克服
第12章 心理支援におけるマイクロアグレッションの影響
援助職者の信頼性における社会政治学的な要素
メンタルヘルスサービスの未活用と早期終結
多文化カウンセリングにおける関係性に対する文化的不信感
カウンセラーおよびセラピストの信頼性
その次の一歩へ 今後のメンタルヘルスのために:マイクロアグレッションを乗り越える
訳者あとがき
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

zel

13
マイクロアグレッション。主に人種、ジェンダー、性的少数者など周縁化されている人々に対して向けられる偏見や差別。継続的に、そして、無意識化に、社会に埋め込まれ、疲弊させる。差別は目に見える差別は減っているが、形を変えて存在している。自分は平等で公平で差別しないと思っている人もマイクロアグレッションの加害者側であることが多くある。誰も固定概念に影響をうけない人はいない。意識化していかなければならない。学び続けていくしかないなと感じた。2021/02/24

marcy

12
8割がた読んだところで休止。いろいろ苦しくなる内容だった。黒人をはじめとする非白人アメリカ人や女性、LGBTらに向けられる「あからさまではない僅かな差別的言動」の事例や分析がこれでもか、と突きつけられる。露骨な差別なら怒りを示しやすいが、さらりと流されるような差別的言動は「過剰反応かもしれない」「悪意はないのかも」などと受けた側に迷いや戸惑い、葛藤や混乱をもたらす。日常茶飯事のため心身にジワリと及ぼす悪影響が積み重なる反面、加害側は極めて自覚に乏しいという非対称性も存在。いろいろ考えさせられる。〜続く2022/06/08

ymmtdisk

11
私はシスでヘテロの男性なので、日本にいる限りマジョリティに属する。▼他人を観察していて思い当たることがあったり、もちろん自分自身を振り返って懺悔する部分も多々あって、読んでいて苦しくなってくる。▼マジョリティ側が作り上げた社会構造や制度であるため、マジョリティ自身が変化するしかない。▼「多様性」という言葉を唱えるだけではなく、他者のリアリティを知り、受け入れ、対話し、関係を作るためのコミュニケーションを厭わないこと。▼アトロク(2021-11-25)、荻上チキさん推薦図書。2022/05/31

Yukipitasu

7
明らかにアウトな分かりやすい差別と違って、こういうのって大したことないと見なされやすいから、よりキツいまである。1度や2度ではなく日常的に受けるし。 訳者後書きにもあったけど、「日本は単一民族の国」という前提で色々話してしまう場合は多いと思うし、ハーフの人(あえての表現)に対して暗にお前は日本人じゃないというメッセージを発している言葉をかけてしまうことはよくあると思う。以前あんなさんという人のツイートを見かけた時にも思ったが、褒め言葉なんだからいいじゃんとか言って済ませたりせず、ますます気をつけていきたい2022/03/10

山のトンネル

6
★★★人種、性別、性的指向など、我々が無意識のうちにしてしまう差別について体系的にまとめられた良書。2021/04/29

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