ちくまプリマー新書<br> 歴史小説のウソ

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ちくまプリマー新書
歴史小説のウソ

  • 著者名:佐藤賢一【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 筑摩書房(2025/12発売)
  • 初夏を楽しむ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480685414

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内容説明

歴史小説を読んで、「自分もこんなふうに生きよう」とか「この過ちを繰り返してはいけない」と思ったことはありますか? なぜ私たちは、創作物の中に歴史の真実があると感じるのでしょうか。その秘密は、歴史と歴史学と歴史小説のもつれた関係にありました。人気歴史小説家が「真実」を創り出す手口を種明かし! 小説にも漫画にも映画にも騙されず、自分の歴史観を持とう 【目次】はじめに/第一章 歴史は物語なのか/第二章 歴史小説のウソ/第三章 歴史小説と史観/おわりに

目次

はじめに/ワープロの練習/二作目の苦労/歴史小説と歴史学/第一章 歴史は物語なのか/1 歴史小説の誕生/歴史小説は演歌/歴史小説はカントリーミュージック/2 歴史学の誕生/歴史的に歴史好き/歴史は文学だった/歴史を変えた歴史学者/サイエンスとアート/第二章 歴史小説のウソ/1 歴史小説は何が書けるか/いろいろな歴史小説/歴史小説の専売特許/心を書く/2 歴史を調べる/まず調べないと/資料を読む/ナレーション史料/法律、議事録、裁判記録/行政文書/手紙いろいろ/やはり史料は難しい/現地を取材する/肖像画をみる/3 歴史上の人物から作中人物へ/解剖医と霊媒師/人物が走り出す/いざ、決断/書きやすい歴史、書きにくい歴史/4 本当に同じなのか/普遍人として/やはり考え方が違う/言葉が違う/第三章 歴史小説と史観/1 史観とは何か/歴史を評価する/古代、中世、近代/2 イデオロギーと史観/サイエンス、アート、そして……。/近代イデオロギー史観/司馬史観が必要だった理由/ポスト司馬遼太郎/3 史観を持つ/歴史家の復活/自分なりの史観を/おわりに/戦争の時代/少子高齢化の時代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

129
フランスの歴史家ミシュレは「しっかりした知識の上に立った想像力」こそ歴史叙述に不可欠と述べた。学者は前者の立場から過去の事実を明らかにしようと望み、小説家は後者を重視して時代に生きた人間の心を描こうとする。双方を経験した著者は改めて歴史小説とは何かを検討し、歴史上の実在人物が決断し行動するプロセスを想像したものと定義する。作家が歴史を評価する基準が史観であり、史観に基づくウソが清盛や尊氏、秀吉や家康の内心をどこまで描いているかを読者は楽しむのだ。その史観を持つのが歴史小説家で、ないのが時代小説家なのかも。2026/02/07

ふみあき

81
司馬遷やヘロドトスによって語られた「歴史」が元来持っていた癒やし効果(あるいはサイエンスに対するアートの部分)は、近代においてランケの実証主義の登場によって失われた。その代替物として近代人に求められたのが歴史小説である、というのが大体の論旨? 欧米では実在の人物を主役に据えた歴史小説が少ないのは、政治エリートに対する畏怖の念が日本人より強いからだ、というのはなんとなく納得(小谷野敦も似たようなことを言っていた気が)。ただ私が書名から想像した内容とはいささかズレていた、という意味では少し期待外れだった。2025/12/18

kawa

36
15世紀のフランス史を専攻中の院生時代のワープロレッスンが歴史小説家になったきっかけだと言う著者。歴史学と歴史小説との関係や違いを詳説。「歴史小説は人間を書く。過去の人物を取り上げながら、人間いつの時代も変わらないんだなと、共感できるよくに書く」としつつ、「自分の歴史感を持とう」と述べる。歴史もの好きにとって、改めて読みのお作法などが確認できる啓発書だ。2026/03/11

よっち

33
歴史小説を読むと、なぜそこから「歴史に学んで」しまうのか。人気歴史小説家が「真実」を創り出す手口を種明かしする1冊。謎を解く鍵は歴史学と歴史小説の微妙な違いにあると考える著者による、歴史学は史料から「時代の真実」を厳密に引き出す学問。一方で歴史小説は人物の内面や心理を創作で補うものとしていて、死んだ過去を蘇らせるのが小説の「ウソ」の役割だと説く考え方は興味深かったです。やはり大衆歴史小説の影響も強くて、作家の価値観が混入するケースもあるでしょうし、読者自身がどう読み解くかという意識も重要なポイントですね。2026/01/08

ピオリーヌ

30
2025年の刊。ちくまプリマー新書。著者は1999年に『王妃の離婚』で直木賞を受賞し、他にもフランス中世を中心に多数の人気作を抱える小説家。かつ東北大学大学院でフランス中世史を専攻していた実績もある。そんな著者だからこそ書くことのできる歴史学と歴史小説の違いが大変興味深い。会話文は歴史小説の専売特許であり、会話文にこそ人物の気持ちが表れるため魅力があり、読者が惹き付けられるのは、人間の心の動きである。またロベスピエールについての話も面白い。議会の議事録を読むと、派手な文句を並べて扇動的なわけではなく、修辞2026/03/18

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