ちくま新書<br> 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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ちくま新書
生活史の方法 ――人生を聞いて書く

  • 著者名:岸政彦【著】
  • 価格 ¥1,122(本体¥1,020)
  • 筑摩書房(2025/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480077134

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内容説明

「ひとりの人間の、人生の語り」が生活史です。この本は、生活史を聞いて原稿を書き、冊子にまとめて作品とするための手引きとして書かれています。沖縄で二五年にわたって聞き取り調査をしてきた著者が、生活史の美しさ・おもしろさから、そのむずかしさ・暴力性まで、これまでの考えをまとめた一冊です。

目次

はじめに──生活史を聞いて、書く/作品としての生活史/誰にでもできること/たくさんの生活史/語りを残す/第一章 生活史とは何か/1 生活史とは/生活史からわかること/生活史のおもしろさ/人生、歴史、意味/広がる生活史/2 生活史の事例/第二章 語り手と出会う──調査という「社会関係」/1 どうやって語り手と出会うか/2 トラウマを抱えた人びと、差別され排除された人びと/安易な理解/聞かないと残らない声/語りの搾取/3 構造的な聞きにくさ/調査の現実/社会的つながりの外へ/4 分断そのものを研究する/『地元を生きる』の調査/聞きやすい範囲/5 「聞き取り調査」ということ自体のわかりにくさ/もっとも聞きづらいひと/「普通」の人びとへの調査/6 分断を乗り越える/打越正行という希望/那覇のスナックで/時間をかけて関わる/当事者性とはなにか/7 関係性の網の目の中で/8 キーパーソン、リーダー、活動家/9 語り手と聞き手のジェンダーについて/中立の語りはない/語り手のジェンダー/聞き手のジェンダー/安心して語れる場をつくる/第三章 調査の進め方/1 調査のプロセスに入る/2 聞き取りの依頼とアポ取り/電話でのアポ取り/メールでの依頼/理解のされにくさ/3 インタビューの場所/カラオケボックスとラブホテル/意味をもつ場所/4 手土産/相手に合わせて選ぶ/手土産のもつ意味/5 名刺、同意書、「調査のお願い」/調査倫理/同意の意味/6 録音とメモ、ファイルの管理/カセットテープとがっちゃんこ/レコーダー類/参与観察/録音のタイミング/メモ/音環境/バックアップ/7 謝礼、お礼、聞き取りの後/謝礼とお礼/語り手との関係を続けるべきか/8 ゆっくり休む/第四章 語りの聞き方/1 積極的に受動的になる、あるいはピントを合わせない集中/話を聞くとはどういうことか/言葉の連鎖/積極的に受動的になる/ピントを合わせない集中/2 質問をする/しない/最初の質問/事実関係だけを聞かない/物語は生きている/3 「一般論」と生活史/一般論には一般論しか返ってこない/一般的な語り/千差万別な定型/4 差別的表現とどのように向き合うか/5 ぜんぶは聞けない/たまたま語られたこと/それぞれの方法/6 聞き手の自己開示/応答責任/前もっての共有/第五章 聞き手から書き手へ──編集と製本/1 文字化する/AIと文字起こし/時間と労力/2 編集する/そのまま残す/記録されないこと/文字のほうが情報量が多い/すべてを再現しなくていい/匿名化の問題/特定できる場合/匿名化の方法/「ウラ」をとること/3 本人チェック/例外中の例外/本人チェックのやり方/4 印刷・製本/おわりに/読書案内

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