ヒトラー 下:1936-1945 天罰

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ヒトラー 下:1936-1945 天罰

  • ISBN:9784560084496

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内容説明

権威の絶頂から総統地下壕の最期まで
評伝の決定版、完結!

権威の絶頂から総統地下壕の最期まで後半生を活写、ヒトラー研究の金字塔! なぜ未曾有の侵略戦争とホロコーストは起きたのか? なぜヒトラーとドイツは自己破壊へ突き進んだのか? 口絵写真48頁・地図8点収録。

本書で描かれるのは、権力の傲慢と絶対化した個人支配のもとで進む近代的な統治機構の瓦解、その帰結として体制が未曽有の死と破壊をもたらしながら自壊へと突き進んでいくプロセスである。ヒトラーを生みだし、その傲慢を共有した「ドイツに与えられた天罰」として、ドイツ国民の自己破壊が描き出される。
ヒトラーと「共犯関係」にあった実業界、産業界、官僚機構、そして何より国防軍など、保守派を中心とする非ナチのエリート層、熱狂し歓呼する大衆も含めて、何がヒトラーの権力を作り上げたのか? ヒトラーにすべての責任を押し付けるのではなく、ドイツ人とドイツ社会の責任を問いかける。この視点が、本書を評伝でありながら評伝に収まらない作品にしている。
それはまた、現代に生きるわれわれにとっても、極めて今日的な意味があることを実感させられる。
下巻では、権力掌握から自殺まで、後半生を活写。ドイツ現代史、ナチズム研究の世界的権威による圧巻の大作。白水社創立百周年記念出版。

[目次]
凡例/地図/序文/謝辞/一九三六年――勝ち誇るヒトラー
第1章 不断の急進化
第2章 膨張への推進力
第3章 ジェノサイド・メンタリティの兆し
第4章 誤算
第5章 一か八か
第6章 解き放たれた野蛮
第7章 権力の絶頂
第8章 「絶滅戦争」の構想
第9章 決戦
第10章 「予言」の実行
第11章 最後の大博打
第12章 包囲されて
第13章 奇跡を願って
第14章 悪運
第15章 絶体絶命
第16章 奈落へ
第17章 破滅
終章
訳者・監修者あとがき
口絵写真一覧/参考文献/原注/略語一覧
[原題]Hitler 1936-1945:Nemesis

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

100
上・下巻、2,000P弱、約3kg、ようやく完読しました!書く方も凄いと思いますが、読んだ自分も褒めたいと思います(笑)「驕れるヒトラーも久しからず」ということで、天罰をくらって終焉です。著者もあまり言及していませんが、ユダヤ人だけでなく、キリスト教徒にまで迫害の眼を向けたことが、アメリカのWASPに怒りを買い、開戦の意思決定をさせたのではないでしょうか?現在の欧州でイスラム教徒が迫害されてもおかしくないのは、大変憂うべき状況です。世界的なヒトラーブームも心配です。7月はこちらで読了です。2016/07/31

Willie the Wildcat

67
理想郷。裾野が広がるも、視野は狭くなる。社会、組織、そして国民。独裁者と呼ばれるまでに権力を持つ過程で垣間見る不整合、そして崩壊。副題は「天罰」。解釈は様々も、人類はもちろんだが、宗教的意味合いも込められている気がする。ソ連崩壊後に公開された多彩な資料が考察されているが、中でもゲッペルスの日記は、ヒトラーの心情解釈に有用。戦争の勝敗ではなく、国家・社会・組織・国民間の綻びの積み重ねが転機。ナチスだけの問題?現代の紛争・テロなどの問題解決のヒントに繋がらないのか?読み応えあったなぁ。2018/01/28

ぐうぐう

27
上巻のタイトルは「傲慢」であり、それはヒトラーそのものを表している。そう考えると、この下巻の「天罰」もまた、ヒトラーに降り掛かるもののように思ってしまいがちだが、実はそうではない。上下巻で二千ページ近くにもなる長大なヒトラー伝の中で、カーショーの主張は最初から最後まで揺るがない。ヒトラーという独裁者の特異性を認めつつも、彼一人にその責任を負わせないということ。(つづく)2016/07/22

Miyoshi Hirotaka

25
30歳迄は平凡で、成功するように見えない人生。高等教育も受けていない。聞き手の心に訴え、カリスマ性を演出することには長けていた。脅しで国際社会を翻弄したまでは強みとして作用。ところが、難敵英国、ソ連に手こずるうちに弱みに転じた。例えると、現場とリーダーを調整すべき中間層がいない状態。指導者の処理能力を越え、意思決定の振れ幅が大きくなった。ユダヤ問題は、スピーチに欠かせない鉄板ネタ。それが、政権掌握後には、ヒトラーの歓心を買おうと、具体的な計画に落とし込まれ、提案され、実行は過激化、未曾有の虐殺に発展した。2018/12/29

星落秋風五丈原

21
『帰ってきたヒトラー』で本物だと知ったTVディレクターに「大衆が扇動されたわけではない。彼等が私を選んだ」と言う。国民が選んだ議員達の選出によって彼は首相となる。独裁政権を成立させるため法案を打ち出すのはその後で選挙まではおとなしくしていたわけだ。彼の自説は極めて明確で「ドイツのための生空間が確保されなければならない」あとに続くのはお得意の二元論「攻撃するか、遅かれ早かれ確実に絶滅させられるかの厳しい二者択一を迫られているのだ」共存という文字は彼の中にはない 。知らない事は恥ではないが恐ろしい事である。2016/07/19

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