あずかりっ子

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あずかりっ子

  • ISBN:9784152104663

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内容説明

『ほんのささやかなこと』著者が描く、ある少女のひと夏

赤ちゃんが生まれるまで、ひと夏の間、親戚の家に預けられた少女。怒らず優しく接してくれる親戚との生活は初めて知る愛に満ちていた。だがこの夏もやがて終わりの時が――映画「コット、はじまりの夏」原作。感情の深みを驚くほど静かに描き出す著者の代表作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

101
アイルランドの田舎村、実家の都合でひと夏を親戚の家で過ごすことになった少女の物語。時代は80年代頃か。青い空からの陽射し、むっとする臭いのそよ風、自然を肌で感じさせる語りに包まれながら、日々戸惑いつつ自らへの意識を認めていくリアルな姿を心に刻んでいった。構って貰えない大家族の場と明確な情愛を注がれる一人っ子の場の違いは彼女を変える。最初はぎこちなかったおじさんの深い愛情とおばさんの純粋で素直なオープンさが自分と他者を慮る心を芽生えさせた。最後の呼び掛けは少年の心が重なったものだろうか。密やかな余韻が残る。2025/12/06

天の川

66
シンプルで繊細な本。母の出産の間、親戚の家に預けられた少女。ギャンブル狂で酒好きな夫と子沢山の中、母親が彼女に丁寧に時間をかけるゆとりなどなかったことが伺える。預けられた先の夫婦が彼女に注ぐ穏やかな愛情は、喪った息子を彼女に見た部分もあるかもしれないが、決してそれだけではない。「必要なのは、手をかけること」。近所の人の心ない詮索にあっても、夫婦の愛情で満たされている彼女の心は揺るがない。手を心をかけてもらった少女のひと夏。ラストの一言、結末は読み手にゆだねられた。2026/02/19

はる

61
とても好みの作品でした。アイルランドの片田舎。大家族の中で暮らす少女は、親戚夫婦の家に預けられることに。そこで少女が経験するのは今までにない優しい世界…。短い物語ですが、心の機微を繊細に描いた文章に引き込まれます。はっきりと描かず、読者の判断に委ねているのがいいんですよね。ラストも胸熱でした。2025/12/25

蝸牛

53
驚くほど短いのに、深く胸に残る小説。 貧しく子だくさんの家で、ぞんざいに扱われることしか知らなかった少女が、きちんと暮らす夫婦の家に預けられる。そこで彼女は、初めて「大事にされる」という感覚に触れる。誰かにきちんと向き合われることが、どれほど人の心を満たすのかが書かれていて泣きたくなった。2026/03/06

Hiro

51
短いのに、読み終えたあとにじんわり余韻が残る物語。多くを語りすぎない文章だからこそ、行間から家族の事情や少女の気持ちを想像しながら読めた。両親も悪い人ではないのだろうけれど、少女に愛情を注ぐ余裕がなかったのだと思う。特に父親にはがっかり。おじさんとおばさんのもとで、少女が少しずつ本来の明るさを取り戻していく様子がよかった。人に大切にされる経験の大きさを感じた。『コット、はじまりの夏』も見てみたい。2026/03/31

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