内容説明
G8首脳のクローンと医師ガーリンは、核攻撃を避けるため北へ向かう。謎のコロニー、日常化する戦争、サーカス、巨人女……。『青い脂』の衝撃が近未来の異世界に響きわたる集大成的傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
そふぃあ
21
分厚さ(二段組450p超)よりも値段(税抜¥5200)に覚悟を試された。ニコちゃん大魔王みたいな容姿の大物政治家たちのクローンが出てくると聞いたので政治色の強い話かと思ったら彼らは中盤で退場。正統派?な近未来SFロードノベルだった。ずっと面白い話が続くのでいつ梯子を外されるかと構えていたが、話は最後まで一貫して面白かった。特に白いカラスの章がめちゃくちゃ面白くて一気読みした。ここだけで独立した話にできる出来栄えと思う。2025/09/26
きゅー
9
ストーリー性があって読みやすいのだけど、初期のソローキンにあったような逸脱・破天荒・無軌道ぶりが薄れていて残念にも感じた(下品な部分は健在だけど)。ガーリンの逃避行からの逃避行。ぼろぼろになりながらも道を切り開き進む。クローン、ゾンビ、L-ハーモニー、ピラミッド、巨人などこれまでの作品に出てきた要素が盛りだくさんで楽しい。しかも、それらの要素を後生大事に使い回さず、さっと背景に押しやる潔さも良い。宗教的な要素が少なめだったのは氷三部作でやりきったからか。作家が成熟する喜びと寂しさを感じた作品だった。2025/10/28
えっ
6
ソローキンの新しい本が読めている事がまず嬉しい。2021年にこれを読んでいたら、数年後驚いただろうな。吹雪の続編ではあるものの、随分雰囲気が違う。青い脂、テルリア、親衛隊士の日で覗いた世界は更に広がりを見せていた。様々なテクストがコラージュされるスタイルも氷三部作を経てより滑らかに物語に組み込まれる様になっていて、テクニック総まとめの趣。マヤコフスキーがこの形で出てくるとは思いもよらずだった。今回も表紙が強烈で中身に引けを取らない。好きさで言うと読んだ中の一番ではないがかなり最高。2025/09/05
さとまる
5
図書館本。感想をまとめるのが難しい。おしりに手が生えた8人のPB、大きい人小さい人クロウドなどのミュータント、モスコヴィアなど小国が乱立した近未来社会などはソローキンらしさを感じるが、逃避行をするガーリンが最後にはハッピーエンド的な結末を迎えるのは「らしくない」とも感じてしまう。2025/10/14
雨松
5
感想を書くのが正直難しい。訳者の解説によると、お伽話の要素が組み込まれたソローキン流マルチバース小説。近未来SF要素はあるが、この小説の世界は現代より退行した文化や生活があって、世界も民族単位の小国に分裂している。コロナ禍の2021年に発表されたが、今、読んだほうがいい。トランプは再び政権を取ったし、シンゾーサンはいなくなった。ドクトルは様々な局面で大変な目に遭っていくが、この有り得そうもない世界が、もしかしたら有り得るのかもしれないと、そう思わせる力が作品にはある。続編『遺産』に期待。2025/09/10
-
- 電子書籍
- 紅お杏(分冊版) 【第19話】 RK …
-
- 電子書籍
- 30歳になったら結婚しよって言ったよな…
-
- 電子書籍
- お主もワルよのぉ【単話版】 第2話
-
- 電子書籍
- 子どもの思考がぐんぐん深まる 教師のす…
-
- 電子書籍
- 恋は、けだもの。




