内容説明
姉から猫の世話を頼まれ、 見知らぬ町に滞在することになった翻訳家の宮原。ある日、 近づかないように忠告されていた商店街にうっかり足を踏み入れてしまう。常に景色が変容し、 重なりあった異界が垣間見える商店街の深淵から、アリアドネの伊藤と名乗る人物に救出されるも、姉が異界の町の御神体にされたという事実を知らされる。事態を打開するには、 来たる 「掌紋祭」 の 「踊り合い」 で異界に近づく必要があるという。宮原は祭りに参加するべく、 町のダンス教室で猛特訓を積むことに。言葉とイメージの奇術師・酉島伝法が贈る往(ゆ)きて踊りし物語!/【目次】無常商店街/蓋互山、葢互山/野辺浜の送り火/巻末特別対談 カシワイ×酉島伝法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
37
商店街のない町に住んでいるので、商店街にすごく憧れる。時々意味の分からん言葉が飛び交うのにすごく魅力的なここで主人公宮原は翻訳業の傍ら姉の調査に巻き込まれている。奥に入り込みすぎはご用心。連れ戻してやるという黒縁眼鏡の男に法外な料金を請求される。「一すり二すりに一すり二すり、二すり二すりに、一すり二すり」掌紋祭の踊りのリズムがイヤに気になり頭から離れなくなる。動画かアニメで見てみたい。隠れ仕草をしないと認識してもらえない蓋互山、生きている内に葬儀をする野辺浜。まだまだ続きそうです。2026/01/20
rosetta
26
★☆☆☆☆2回も日本SF大賞を受賞している作家さん。こんな本を選んでいるから日本のSFはどん底になってしまったのだろうと思ってしまう。2020年にこの人の『オクトローグ』という本を読んで、二度とこの人の本を読むまいという記録を書いたのだがすっかり忘れて図書館から借りてきてしまった。相変わらず勝手に造語しているオナニー小説。3話入った短編集の1話目と2話目を少しだけ読んでやっぱり放棄した。これが好きな人はセンスが抜群だったり頭の造りが違っていたりするんだうけど自分には絶対無理。表紙やイラストだけは好きだった2025/12/13
ふりや
12
いつも楽しみにしている酉島作品。本作は日常が非日常に侵食されていくような少し不気味なテイストで、がっつりSFというよりは現代を舞台にしている点でも『るん(笑) 』に近い読み心地かなと思いました。特に三話目の『野辺浜の送り火』の後半の盛り上がりはすごく好きでしたね。作者らしい造語や異形感、不思議なストーリーを最後まで堪能しました。カシワイ氏による装画や挿絵がとても良く、巻末の対談も面白かったです。2026/02/05
garth
7
姉好きにお勧めしたい姉SF。「清美」という名前から伊藤清美のような中性的で活発な美女を想像してしまった。声に出して読みたい。2025/12/16
うさみP
6
外を訳す翻訳家の主人公はトンデモナイへ誘われる。酉島言語濃度少なめで読みやすい。こうなったら、異界ダンスバトルだ!!なぜ、古今東西の商店街(や商業施設)と異界は極めて近い関係なのか?そこは、今も生きている場所であり、既に死んでしまった場所。繁栄と衰退が内包された場所だから。造語の由来や取材探訪の巻末対談にあった、『誰もが最短距離を求める現代社会にとって迷い込む異界が必要』は納得。表紙の幟『迷うのは無料』は名フレーズ。案内を依頼すると悪い人が値段をふっかけてくる。2026/01/19




