内容説明
天明四年五月の十三夜。御先手弓組番方・幣原喬十郎は男女の惨殺体を発見する。傍らには匕首を手に涙を流す若い男が一人。喬十郎は咄嗟に問い質すが、隙をつかれて取り逃がす。その男は闇社会で名を轟かせる大盗一味の千吉だと判明。殺害された男の周辺を洗う中、再び遭遇するも、千吉は殺害を否定し、再び姿を眩ませる。十年後、喬十郎は、銭相場トラブルで一家を殺害された塩問屋の事件を追う過程で、両替商となった千吉(利兵衛)に出合う。火付盗賊改長官・長谷川平蔵に助言を仰ぐも、突然の裏切りに遭い、左遷されてしまう。悪事に立ち向かう喬十郎と、江戸の闇社会に生きる千吉。宿命的な敵対関係を描き出す、血湧き肉躍る時代小説。
目次
十三夜の邂逅
長谷川平蔵の罪
悪の絵図
政と謀
余
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
25
【図書館】月村了衛の時代小説、「コルトM851 残月」以来の時代劇。 月村了衛はもう時代小説を書かないのかと思っていた。 久々に触れた本は凄く余韻を残す物語であった。 敵味方になる一夜の邂逅、時を経て何度も出逢いやがて親しい友となる。 泣かせるなあ、そこに登場する長谷川平蔵、遠山の金四郎、微妙な人物配置がストーリーを盛り立てる。 小悪党から両替商、御先手番頭から火付盗賊改方と姿を変えて付き合い方を模索する。 人生の終わりに辿り着いたそれぞれの心境。 泣けるなあ・・・2025/12/05
のじ
4
殺人の現場に居合わせた盗人と、それを目撃した武士のおはなし。なぜそこまで憎み合うのかというもどかしさを感じつつも、話に引きこまれました。話の背景に江戸時代の幕府の財政の厳しさがあり、今の時代にもつながるものがあるよなーとか思いながら読んでいたら最後の対談でも同じような話題か出ていて、ちょっと考えさせられました。2025/11/16
ワンモアニードユー
4
長年の関係性、侍と盗人。それを縦軸に、権力の汚さが覆い被さる。長谷川平蔵、遠山金四郎なども脇に固めて、骨太なストーリー。まあ満足だが、やはり残月ほどのインパクトはないなあ。2025/10/03
好奇心
3
御先手弓頭とは、幕府の常備軍として治安維持にあたる「先手組」の弓組隊長のことだ、この職に就く幣原宗孝と盗賊あがりの両替商になった、銀字屋利兵衛の生涯に渡る、当初は捕縛方と盗賊の敵対関係だったが、長い年月を経て、宗孝の最期を看取る仲になった、火付け盗賊改め方と重なる役目?面白く読ませて貰った2025/10/11




