内容説明
若き日の有吉佐和子が、実際に花街を取材して書き上げた渾身の一作。
陰りを見せ始める花柳界の問題を鋭く示しながら、
当時の煌めきをユーモラスに活写した“幻の快作”が、
66年の時を経て初の文庫化!
【内容】
1950年代、東京の花街。
置屋「綾津川」の女あるじ・綾千代のもとに、
正体不明のイタリア系アメリカ人・フランチョリーニから、
芸者遊芸ブロードウェイ公演の話が舞い込んだ。
綾千代はライバル・亀千代とタッグを組み、
芸妓組合での根回しや渡航の金繰りに奔走するが、徐々に暗雲が立ち込める。
売れっ妓・千々代と花奴、
縁あってフランチョリーニの秘書となった
国際電話交換手の能村勢子とその同僚・横井新也、
日本舞踊の家元・梶川猿寿郎らが巻き起こす騒動と恋のさや当て――。
混迷を極める“ゲイシャガール・ダンシング・ティーム”は、
果たしてアメリカへ行けるのか!?
〈解説〉岩下尚史(作家・國學院大學客員教授)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Inzaghico (Etsuko Oshita)
8
まだ花柳界がぎりぎり元気だったころのお話。社用族が野暮な遊びをすることも少なく、政財界の大物が自分の金で遊んだ時代。有吉は本作で、芸者のブロードウェイデビュー企画を軸に、のぼせ上った芸妓屋のおかみふたりと彼女たちが抱える芸妓、ブロードウェイデビューをもちかけたアメリカ人の臨時アシスタントを務めた若い女性、芸者屋がある土地の料亭、踊りの家元などの群像劇に仕立てて、それぞれの思惑を余すことなくあぶり出す。容赦ない現実もちゃんと描きつつ、それぞれしたたかに強く生き延びて、最後に地に足の着いた希望をもたせる。2025/11/12
たつや
8
図書館で借りる。借りた本はハードカバーで、初版が昭和三十四年とある。日本の芸者が海外で公演をする物語。史実に基づいているのか?全て創作か?不明だが、軽快なセリフ回しと言い、当時のフジヤマガールの妖艶でいて強さが目に浮かび、痛快に読めた。面白かったです。2025/09/17
goodchoice
0
この一作を令和の現在読むと、既に歴史小説の域に入った筋立てとなっている。巻末の岩下尚史さんの解説を読むと良く判るが、まさに高度成長期の東京の花柳界では当たり前のことだったのだろう。既に死語となりつつある「花柳界」というものが、その端っこをかじった自分にとってはとても悲しい現実となっている。古き良き時代を描き出してくれている有吉さんに感謝したい。2025/12/30
Sally-m
0
華やかにみえる芸妓の世界とそれに関わる人々がとてもよく描かれていて、興味深く面白い作品でした。2025/12/21
あさがお
0
芸妓たちの言葉づかいがとってもきれい「〜お約束の時間まで未だ5分マがございますが、到着いたしましたとお取次くださいませ」(うろ覚え)なんて私は口にできないけど作中ではそれが自然に流れていく。読み終えたら書き直したい。2025/12/21
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