岩波文庫<br> パイドン - 魂の不死について

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岩波文庫
パイドン - 魂の不死について

  • 著者名:プラトン【著】/岩田靖夫【訳】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 岩波書店(2025/10発売)
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  • ISBN:9784003360293

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内容説明

毒杯をあおぎ刑死するその日,ソクラテスは集まった弟子たちとともに「魂の不死」をめぐる探究に挑戦する.魂はいかにして肉体の死を超えうるのか.魂のあり方は人間の生き方にいかなる意味をもつのか.イデア論の豊かな可能性を切り開きつつ,主著『国家』へと続くプラトン哲学の代表的対話篇.文字を大きくし新解説を加えた改版.

目次

凡例
一 序曲(五七A一―五九C七)
二 死に対するソクラテスの態度(五九C八―七〇C三)
(一)ソクラテスの夢―ムーシケーをせよ―(五九C八―六一C一)
(二)自殺禁止論―人間は神々の所有物である―(六一C二―六三E七)
(三)哲学者は死を恐れない.死とは魂と肉体との分離であり,哲学者は魂そのものになること,すなわち,死ぬことの練習をしている者であるのだから(六三E八―六九E五)
(四)ケベスの反論.魂は肉体から離れると煙のように飛散消滅するのではないか(六九E六―七〇C三)
三 霊魂不滅の証明(七〇C四―一〇七B一〇)
(一)生成の循環的構造による証明.生から死へ,死から生へ(七〇C四―七二E一)
(二)想起説による証明.イデアの認識は想起である.故に,人は誕生以前にイデアを見ていたのでなければならない(七二E三―七七A五)
(三)さらに強力な証明へのケベスの要求(七七A六―七八B三)
(四)魂とイデアの親近性による証明(七八B四―八四B八)
(A)合成的なものは解体し,非合成的なものは解体しない.肉体は合成的であるが,魂は非合成的である(七八B四―八〇C一)
(B)われわれはできるだけ自分自身の魂を肉体との交わりから浄め,魂自身となるように努めなければならない(八〇C二―八四B八)
(五)間奏曲1.白鳥の歌(八四C一―八五D一〇)
(六)シミアスの反論.魂が肉体の調和ならば,肉体の壊滅と同時に魂も死滅する(八五E一―八六E五)
(七)ケベスの反論.魂が肉体より長命だとしても,幾度も肉体を着潰すうちに疲労し衰弱して,ついに滅亡しない,という保証はない(八六E六―八八B八)
(八)間奏曲2.言論嫌い(ミソロギアー)への戒め(八八C一―九一C五)
(九)シミアスへの答.想起説と「魂は調和である」という説とは両立しない.魂は肉体的な構成要素に支配されるのではなく,支配するのである(九一C六―九五B八)
(一〇)ケベスの論点の確認(九五B八―E六)
(一一)間奏曲3.最終証明への準備(九五E七―一〇二A九)
(A)アナクサゴラス(自然学)への失望(九七B八―九九D三)
(B)第二の航海―仮説演繹法(ヒュポテシスの方法)―(九九D四―一〇二A九)
(一二)霊魂不滅の最終証明―イデア論による証明―(一〇二A一〇―一〇七B一〇)
四 神話―死後の裁きとあの世の物語―(一〇七C一―一一五A八)
五 終曲―ソクラテスの死―(一一五B一―一一八A一七)
訳注
訳者解説
文献表
訳者あとがき
解説(篠澤和久)
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

フンフン

10
プラトンの著作はほとんど読んだつもりだったがパイドンは未読だった。ここで言っている自殺禁止論、人間は神が与えた牢獄の中にいるのであり、そこから逃げ出してはいけない、というのはキリスト教の自殺禁止論と同じだね。プラトンはキリスト教神学に大きな影響を与えたんだから当然と言えば当然だけど。あと魂の不死の証明、人間は生まれる前に「等しさ」とかのイデアを知っている、これは生まれる前に魂があったことの証明だというのは生まれる前に胎内で頭脳ができるせいだ。だから人間は言語を習得できるのだ。2025/08/22

ますぴー

5
自殺はなぜだめなのか、イデア論、魂の不滅証明、魂の行方、墓を彷徨う幽霊、三途の川、大気圏の存在(それより上空に神がいる、ドラゴンボールでいう地球の神のいる所みたいな)、肉体が真理を阻害する、魂は生前の教養と性格だけ引き継ぐ等、根源的に死後の恐怖を持つ我々にとって、光の道筋を示してくれ、心が平安(アタラクシア)となった。 死の前、弟子の中でクリトンが、ソクラテスと共にする時間が一番多く、対話を聞いていたのに、『君をどう埋葬しよう』と発言して、コイツに語ったのは無駄でしたわーって言われてておもろかった(笑)2026/02/28

Tommy

2
イデア論の卵のようなものが書いてある。いきなり完成されたものを読むよりももちろんわかりやすいし、なぜそんな話になったのかの道筋が案外面白かった。あとやっぱり自然科学的な論者に対する姿勢も面白い。アナクサゴラスとかデモクリトスとか、現代から見れば天才的な発想だけど、当時を生きていたら大事なことを何も説明してないって思うだろうな。2026/01/28

天道

2
難しい……。ソクラテスの最後を描いた作品で、イデア論が出てくる。途中から何を言っているのかわかりにくい。ソクラテスのやり口はわかった。命題の提示→別の事例を持ち出して、検証してみる→立ち返って、命題に当てはまるかどうか。他のものに追従するのではなく、ものそれ自体にそれぞれ固有の本質(=イデア)がある。それによって死後霊魂が消滅することはないと証明。2025/10/21

クリスタルO

0
魂の不死について。ロジックを積み重ねることで証明できるものではないと思うし、これで安心できるとは思えない。 ソクラテスが語ったということが大事なのだろう。死の直前にここまでの明るく、朗らかに振舞えるのは、本人なりの確信があるだろうし、それは周りの人にも伝わるだろう。こちらにもそれなりに伝わった。 たしか「臨終正念」という言葉だったと思うが、死の間際に冷静に自己を見据える境地といったものだと思う。確か剣豪の山岡鉄舟の最期がそうだったらしい。この境地に達することで魂の不死が保たれると考えている。2026/06/01

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