岩波新書<br> 富士山噴火 その日に備える

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岩波新書
富士山噴火 その日に備える

  • 著者名:藤井敏嗣【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2025/10発売)
  • 2026年も読書三昧!Kinoppy電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~1/12)
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  • ISBN:9784004320852

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内容説明

富士山はいつ噴火しても不思議ではない.活発に噴火を繰り返して現在の姿に成長した富士山は若い活火山なのだ.どんな噴火が起こりえるのか,どう備えるのか.富士山の噴火予測はなぜ難しく,そのマグマが特異であるのはなぜなのか.火山学をリードしてきた著者が富士山の成り立ちとマグマの科学を解説し,噴火への心構えを説く.(

目次

序章 富士山はいつ噴火しても不思議ではない
1 富士山は若い活火山
火山の三分類と活火山
火山の年齢と寿命
2 富士山の噴火は平均三〇年に一回
歴史時代の噴火
地質時代の噴火
3 いつ起こってもおかしくない次の噴火
異常に長い最近の休止期間
密かに続く地下深部のマグマ活動
次章以降の内容
第1章 富士山が噴火したらどうなるか
1 富士山は噴火のデパート
溶岩流
火砕流
融雪型火山泥流
岩塊や火山灰を噴き出す爆発的噴火
2 首都圏に及ぶ被害
噴火現象により異なるハザードの影響範囲
首都圏も危うい大規模な爆発的噴火
3 滅多に起こらない大規模噴火
噴火の規模の表わし方(VEI)と爆発的噴火
富士山特有の噴火規模表示
4 美しい富士山がみられるのは奇跡的
噴火がなくても起こる山体崩壊
巨大な噴火がもたらす地形変化
端正な富士山を愛でた平安人
コラム1 火山岩の種類とマグマ
第2章 古記録に記された大噴火
1 プリニー式噴火の由来
2 古記録でわかる宝永噴火の推移
目撃された噴火開始
日本のポンペイ――須走の悲劇
宝永火口と宝永山の形成
火口からの距離に応じた被害の様相
江戸市中における状況
3 『日本三代実録』が伝える貞観噴火の推移
詳しい報告が朝廷に届けられた
誇張された「異火の変」
ハワイで再現された貞観噴火
4 延暦の噴火
5 古記録はどこまで信頼できるか
ヴェスヴィオ山はいつ噴火したか
奈良時代から平安時代にかけての噴火
熱心に記述された貞観噴火と無視された承平の噴火
江戸時代以降は詳細な記録
第3章 大地に残る噴火の歴史をさかのぼる
1 噴火の歴史を紐解く手法
野外調査
噴出物の年代を決める
放射性年代測定法
コラム2 カルデラ噴火
2 地質調査でわかった四階建ての富士山
富士山に先駆する火山活動
富士山としての火山活動
順調ではなかった成長
3 端正な富士山の形成
使われなくなった山頂火口
歴史時代の噴火
4 側火口の分布が示すプレートテクトニクス
コラム3 特異なプリニー式噴火――宝永噴火
第4章 なぜ噴火が起こるのか
1 噴火の区分
爆発的マグマ噴火
マグマ水蒸気噴火
水蒸気噴火
溢流型マグマ噴火
2 噴火のもとはマグマ
マグマがつくられる場所は限定的
マグマ生成のメカニズムと沈み込み帯のマグマ
マントルでつくられる初生玄武岩マグマ
3 マントルから地殻へ
水を含んだマグマ
マグマの上昇と地殻物質の密度
4 噴火のメカニズム――マグマ溜まりから噴火へ
マグマ溜まりからの上昇
爆発的噴火と溶岩流噴火を分けるもの
第5章 富士山のマグマ
1 富士山のマグマの特徴
2 マグマ溜まりの深さとマグマの化学組成変化
3 マグマ溜まりを探る
地殻変動量からマグマ溜まりを調べる
地震を使う
電磁気を使う
噴出物を調べる
コラム4 新鮮な噴出物を求めて――秋田駒ヶ岳一九七〇年噴火
4 富士山の深いマグマ溜まり
複雑な富士山の下の地殻
5 玄武岩マグマと分化したマグマとの遭遇
稀な分化マグマの活動
第6章 噴火の予測はどこまで可能か
1 長・中期の噴火予測
不規則な火山噴火
階段ダイアグラムと噴火予測
2 噴火の短期予測
地震観測
地殻変動観測
その他の観測手法
3 富士山と地震
深部低周波地震の活発化
宝永地震がトリガーした宝永噴火
4 富士山の噴火予測
噴火を観測したことのない富士山
5 推移予測には少なくとも数千年間の噴火履歴を参照すべき――近年の噴火事例からの教訓
第7章 富士山噴火に備える
1 火山ハザードマップの整備
富士山火山ハザードマップの誕生
富士山火山ハザードマップの改定
2 広大な想定火口領域
3 ハザードごとに異なる影響範囲
溶岩流の影響範囲
火砕流の影響範囲
大きな噴石の到達範囲
融雪型火山泥流
火山ハザード統合マップ
4 地図には表現できないハザード
有毒火山ガス
噴火にともなう地震
5 広域に及ぶハザード
降下テフラの特徴
降下テフラに備える
6 富士山火山避難基本計画
避難対象エリア
噴火警戒レベルと避難
溶岩流からの避難
降灰対応
7 次の噴火はどのようなものか?
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

120
富士山が噴火するかとは昔から話題にされてきたが、一般向けの科学的解説書はなかっただけに興味深く読んだ。人間でいえば10歳程度の若い山であり、平均30年に1回は噴火していたのに300年近く沈黙している。マグマの特徴や現在の地下の状況、噴火システムと予測などの事情が理解できる。しかし一度も噴火を観測していないため、理論的な推測による面も大きいらしい。だからこそ日本人は「その日」に備えねばと説くが、現在の美しい形は山体崩壊を繰り返した末の造形であると知れば、狭い島国に誕生した自然の奇跡に神秘的な思いすら感じる。2025/11/20

KAZOO

97
富士山の噴火にかかわる情報の最新版です。以前に鎌田浩毅先生の「富士山噴火と南海トラフ」を読んだのですが、非常にわかりやすかったことを覚えています。この本も最新の情報に基づいていながらも歴史的な観点からの情報もあります。地質調査による4階建ての構造になっていることもわかりました。300年間噴火していないのでいつ起きてもおかしくなくその影響はかなり広範囲にわたることが示されています。いい本だと思いました。2025/11/22

aochama

9
富士山は、1707年の宝永噴火以降の噴火はなく、それまでは30年程度で噴火していた。次回の噴火はいつ、どんな形で、どのくらいの規模で起きるのかを火山学の重鎮が火山の基礎から解説。途中、専門的すぎるところもありますが、火山の最新知識が得られます。 また、火山がいつ噴火するかは時間予測モデルでは把握できない中、原発を建てるにあたり、火山噴火の影響はないとする精度があるとは思えないとのこと。 結果として、富士山噴火は、どうなるか分からないので、あらゆる可能性を考慮して準備すべしとのこと。 大自然恐るべし。2026/01/03

青雲空

6
富士山の年齢は10万歳。人間に例えると10代で若い火山。過去5600年でだいたい30年に1回の噴火を繰り返していたが、300年沈黙している。 プレートの三重接合点に位置し、普通の火山のマグマだまりが地下10㎞程度であることに対し、20㎞以下と深い。そのため現在の技術では予測は不可能。次回噴火のタイプも予想つかない。 被害が小さいことを祈るしかない。2025/10/23

HALI_HALI

4
本書は、富士山が今なお活動期にある活火山であるという事実から出発し、過去の噴火史、噴火のメカニズム、予測技術の限界、そして社会としてどのように備えるべきかまでを冷静に整理した一冊です。噴火をセンセーショナルに語るのではなく、「分かっていること/分からないこと」を明確に切り分けて説明している点が印象的でした。少しズレた視点になりますが、このようなアプローチ方法は複雑な事象を考察する際に有用だと感銘を受けました。2025/12/30

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