内容説明
九郎と琴子の運命に、ひとつの答え。
出所不明の忍法帖小説。モデルは九郎!?
小説漫画累計500万部ミステリ、大いなる転機。
本格推理作家・城平京による本格ミステリ大賞受賞シリーズ、
『虚構推理』最新作!
☆☆☆
WEBに投稿された小説『真九郎忍法料理帖』を見つけた琴子は、
作者が六花ではないかと疑う。
理由は、九郎がモデルにされているから。
しかし六花に覚えはなく――。
誰が、なんのために。
リアルタイムで更新される小説を武器に、虚構と推理が連鎖する!(「忍法虚構推理」)
不死の九郎と知恵の神である琴子。
二人の道行きにひとつの答えが出る。
シリーズ随一の傑作、ついに刊行!
【虚構推理既刊シリーズ】
(1)『虚構推理』
(2)『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』
(3)『虚構推理 スリーピング・マーダー』
(4)『虚構推理短編集 岩永琴子の純真』
(5)『虚構推理 逆襲と敗北の日』
(6)『虚構推理短編集 岩永琴子の密室』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
12
九郎が見回りのバイトをしていた廃墟に迷い込んだ高校時代の同級生、どうやら彼は何者かに追われ、その何者かは姉の殺人事件に関わっているようで……という『廃墟に出会う』生首の出ると噂の家にいた怪異はろくろ首。六部殺しと思わせて純愛ものの異類婚姻譚…とさらに思わせてな『まるで昔話のような』、そして九郎モデルとしか思えないWEB小説の謎を追う中編『忍法虚構推理』の3作。今回は『忍法〜』が読み応えもあり展開も好みだった。料理小説と忍法ものという独特な作中作、虚構による現実のハック、事件を物語によって粉飾する展開など2025/12/24
みいやん
12
もはやシリーズ7作目でそろそろ終わりが見え始めたか…?あまりハッピーではなさそうだが、期待しよう。作中作が長いな。2025/12/09
Urmnaf
11
九郎先輩の過去話がメインの4話(事件は3つ)。表題作は、現実事件を題材にしたと思われるネット小説からの完全犯罪打破。やり方は少々ズルいけど(探偵小説的目線)。現実とリンクした作中作というと、最近読んだ翻訳小説と同じ形だけど、受けるイメージはずいぶん違う。見えない妖を使役するんじゃ、それも当然か。そしてその事件からインスパイアされた琴子と九郎の行く末は、ずいぶん残酷なような、そうでもないような。2025/11/20
ほたる
11
桜川九郎の同級生たちから描く。このシリーズが積み重ねてきたことがついにその頂に到達する。なんと打ちのめされたことか。虚構推理という形で謎を解決をする、その構造はまたどこかの出来事に類似する。それによる描き出し方が抜群な一冊だった。特に表題作は至高。2025/10/24
bluets8
8
九郎の高校時代の同級生が主役の短編二編と、表題作の長編一編の構成。表題作がとても面白かった。幽霊からという事件の真相の知り方と、web小説という胡乱な方法をとるやり口が実に虚構推理らしく、虚実を入り交ぜ理屈を捏ね繰り回して見えているゴールまでの道筋をでっちあげる過程を、鋼人七瀬から時を経てweb小説という新たな媒体を使ってやり遂げてみせる詭弁力が見事。シリーズ随一の傑作ついに刊行!なんてあらすじにあるので、大言壮語では?と思っていたが、そういっても過言ではない出来。おまけに作中作が普通に面白いから困る。2025/11/02




