内容説明
老年専門内科へようこそ。最初は難聴の患者さん。院長が短歌を詠んで伝えるメッセージの効果は? 現役医師作家の書下ろし医療小説!
稲葉哲郎(70歳)は困惑していた。膜の向こう側や水の中の音のように、いろんなものが聞こえにくくなったのだ。病院では受付の呼び出しの声を聞き逃したり、コンビニのレジでは訊かれたことがわからなかったり、同窓会では憧れだった女性との会話が成り立たなかったりした。妻との意思疎通も適当な返事でごまかしていたが、このままではまずいと思い立ち、亡き兄が遺してくれた補聴器を引っ張り出すも、結局、老坂クリニックの小町先生を頼ることになり……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
141
「老年内科」受診する方は増える一方なんだろうなぁ。シリーズ第2弾!聴力低下問題の一話目、軽度認知症グレーゾーンの妻にニンハラ(認知症ハラスメント)夫の二話目。ラストは祖父と孫の食事問題から見える現代日本、どれも高齢者なら(まぁ、性格もあるけれど)思い当たることだろう。胸に手を当ててドキッとしながら読んだのは私(汗)そして、小町先生の短歌が切なくて・・どんな結末になっていくのだろうと不安になるが、次を楽しみにしている。2025/11/04
itica
72
シリーズ2。誰でも老いは訪れる。仕方のないことと思っていても、自分もやがては…と考えると他人事ではない。難聴や認知症はあるあるだが、3話目の意外な病気には現代の美味しいものが溢れる世の中では意外な落とし穴だった。軽く考えて放置するのは良くないね。それにしてもニンハラ(認知症ハラスメント)の夫には腹が立った。病気は本人はもとより家族の理解も大事だよね。 2026/05/09
ゆみねこ
68
老坂クリニックシリーズ第2弾。高齢者が直面する身体と心の問題は多岐にわたる。今回の診療メニューは「難聴」「軽度認知障害」「歩行困難」の3本立て。どれも身近にある問題で、身につまされる。小町先生が詠む短歌、ダンナ様を思って詠むその歌が切ない。2025/11/19
ナミのママ
62
〈シリーズ2作目〉も3つをテーマに取り上げた連作短編集。「はずれの音」難聴、「やっかいな持病」軽度認知障害、「いまどきの病」歩行困難。前作から続けて読んだので高齢者症状がよくわかる。それに対する各章のまとめ方が読み手に優しく、高齢者病院の内科医の著者ならではかな。予約ができず、家族が同伴の診察、というのは自分にはためらってしまうけど。住宅街にあったら人気が出そう。2026/04/17
Ikutan
61
図書館の予約が、一作目より先に来てしまった。処方箋のように短歌を詠む小町院長と若手の山里医師が高齢者を中心に診察している老坂クリニック。そんな老坂クリニックを舞台に、現役医師の南さんが描く症例が三つ。『歩行困難』『難聴』『軽度認知障害』。どれも身近にありそうで、興味深い。小町先生の短歌を味わいながら、サクサク読めて勉強になります。小町先生自身の夫への思いが語られるラストには思わず胸がきゅーとなった。一作目も早く読みたい。2025/12/04
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