内容説明
AIに心は持てるのか?慟哭のミステリー!
「つまり、君が言いたいのは、漱石の『こころ』で描かれたような苦悩や葛藤や陰影がなければ、心じゃないということだね」(本文より)
東央大工学部特任教授・胡桃沢宙太(くるみざわ・ちゅうた)は、交通事故で家族を失い、自身も車椅子生活を余儀なくされている。彼はAIロボットに【心】を持たせるべく、盟友の二ツ木明(ふたつぎ・あきら)教授と助教授の石神結衣(いしがみ・ゆい)で産学官共同の巨大研究開発「KC(ココロ・クリエーション)プロジェクト」を立ち上げ、世間の耳目を集めていた。
ある日、AI研究に携わる胡桃沢を含む四人の教授が、シンポジウムのため壇上に上がった。会の終盤、一人の教授が壇上で倒れ、帰らぬ人となってしまう。やがて届いた連続殺人を告げるメール。だが、それはほんの端緒に過ぎなかった。
AIから離れられなくなった現代、私たちの心が試される。最後に泣くのは誰か―。ドラマ原作『だから殺せなかった』著者が放つ慟哭のミステリー。
解説は『屍人荘の殺人』シリーズ、『でぃすぺる』の著者・今村昌弘氏!
※この作品は過去に単行本として配信されていた『あなたに心はありますか?』 の文庫版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mayu
31
AIロボットは心を持てるのか。持ったらどうなるのか。というKCプロジェクトを任された胡桃沢教授。研究室に届いた殺害予告のメールに不穏な空気が広がり、ページが進むごとに積み重なっていく違和感と明かされた真実に驚きと共に困惑が襲う。人間の心とはなにか…。何をもって心を持ったとするのか。嫉妬や怒り、優しさや慈しみだけではなく心が生む欲望やズルさをAIが身につけたら人間など簡単に操れてしまうのではないかと思ったり。AIの未来への希望と脅威と共に人間の心についても考えさせられる印象的な一冊だった。2025/10/13
よっち
22
交通事故で家族を失って、自身も車椅子生活を余儀なくされている東央大工学部特任教授・胡桃沢。AIに心を持たせるべくプロジェクトを進める彼の葛藤の物語。盟友・二ツ木たちと進めている産学官共同の巨大研究開発プロジェクトの講演会で、突然倒れて帰らぬ人となったパネリストの教授、胡桃沢のもとに届く連続殺人予告、そしてプロジェクトを自分の都合のいいように変えようとするライバル教授の存在。暗雲漂う状況の中に感じる違和感がある中で、それでも何とかしようと懸命に抗い続けた先に待つ、思いもしなかったその結末には驚かされました。2025/10/05
あきらいのうえ
3
読み始めてから序盤の展開にはハッキリ言ってこの作品を甘く見ていました。AIロボットにココロを持たせられるか、とのテーマは非常に興味深いのに、物語はヤマがありつつも日常がたんたんと進み。中盤からはスリリングな展開にはなりますが、終始ずっとざらついた違和感がつきまとっているんです。それが終盤でタネが明かされるとその違和感は意味を変えてドッと肩にのしかかってきました。この作品はもちろんフィクションですけど、手塚治虫先生に近い発想で書かれた物語に思います。簡単な作品ではありません。すごく考えさせられる作品でした。2025/11/20




