内容説明
切るべきなのは病巣でなく人間関係!
神田川病院の桐ヶ谷キワミ医師は三回の離婚で人生を考え直し、趣味を謳歌しながらアルバイトとして働いている。
ある日、外来を訪れた七十代の患者・熊野佐奈枝は、女性医師が担当でないと嫌だと言う。「いい歳をして自意識過剰だ」と鼻で笑う部長に“時代遅れ”だと反論するキワミ。部長から譲り受けた聴診器を使うと、佐奈枝の体調不良の意外な原因が明らかに・・・・・・!?
裕福なネイルサロン経営者、夫の両親が建てた家で家事のサポートも受けて暮らす会社員。人から羨まれるような人生を送る女性たちの“見えざる不調”の理由とは。大反響「病棟」シリーズ第四弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっちゃん
41
病棟シリーズ第4弾。今回は検査をしても別に悪いところはないが体調がすぐれない3人の話で、不思議な聴診器で診るとどの人も人間関係の悩みが。他人と人間関係を切るのはまだ容易いが、第2章の寄生虫のような親兄姉が一番厄介そうだ。解説にあったが、「私は私」という境界線が大事なのだろうな。2025/10/15
akiᵕ̈
22
久しぶりの病棟シリーズ♪ご近所さん、自身の家族、旦那の家族と、3つのcase&体の不調からくる心の悲鳴を、患者の心の声が聞こえる聴診器を授かった少々クセ強な55歳のアルバイト医師・キワミが聞き取り、そのしがらみを解いていく。この3つのcase、患者本人は気が良すぎてしまうゆえ悩んでしまうわけだけど、そこにつけ込む周りの人たち揃いも揃って自分本位で、キーーッとなってしまうツワモノ揃い!これでは心が休まらないし、病んでしまうよ。こんな聴診器があれば、救われる人たくさんいるんだけどね。2025/10/09
NAOAMI
12
狭い価値観の徹底的な植え付け。お婆さんなんて性的な目で見ないとか、出世頭の娘に寄生する親・兄姉。上膳据膳で拘束される嫁。そりゃ胃も悪くなるさ、肩も凝るさ。読んでるこっちもクラクラする。よくもまぁひどすぎる事例を畳み込む。「家族」って錆びた鎖か。魔法の聴診器が見せてくれる洗いざらいが独特な処方箋を生み、ぶっちゃけ開き直りを指南する。そんなことすら自力で突破できなくなるのが病。各章に救いとなる家族や恋人がいて、一気に理解し動いてくれる存在がいたのが救いだ。人間ってヤダな。恐ろしいわ。視野狭窄人間の怖さ感じる。2025/10/14
ポケット
5
身体の辛さをなんとかしてほしいと何件も医院病院に行くが検査結果はどこも異常なし。それがある病院では聴診器を使うとその原因がわかる。何ともおかしな話だがどれも人間関係が原因。お向かいさん、家族、義両親、もう驚いちゃうほど身勝手な人たち。絶縁病棟はこの病棟シリーズは4冊目。解説にどの巻から読んでも楽しめると書いてあったので全部読んでみたい。2025/10/10
M Y
2
病棟シリーズの最新作。垣谷作品は、ストレスなく読めます。2025/10/06