内容説明
イギリスと、過去にその帝国支配下に置かれた国々が中心となり形成される自由な連合=英連邦。
本書では、この独特の存在を通して、イギリス帝国の着地点を探り、帝国後のソフトパワーの源に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
テキィ
5
第二次世界大戦をはさんだ、英連邦のブロック経済っぷりがなにげに驚きだった。そりゃ後にGATTの概念と相反するわ。帝国主義が被征服国と一緒になって人種問題を先送りしながらも少しずつ解決していくのは賢いことだと思う。ロンドンにマンデラの銅像があるわけだ。それにしても各国トップがパブリックスクールを通して共通の教養を共有しているというのは強い。ベースが共通でないと利害を超えて握ることはできん。そういうベースがない状態でどうやって握り合うのか。力作なのでは。2012/09/05
バルジ
2
白人自治領の「社交クラブ」的な存在から「多人種の連合」へと変化していく過程が非常に面白い。 英国のEU離脱の際にも離脱派から「英連邦」の存在が語られていたが、その歴史的な背景とイギリスの対外観をうかがい知る事ができる。 幾度も存続の危機に立たされながらもしぶとく国際組織としての性格を維持する英連邦は今後どうなるのか注目して見ていきたいと思った。2018/02/19
Tetsuya Noguchi
1
日本では数少ない、英連邦に関する書籍。英連邦の歴史を遡って記述している。 香港は、1997年に英国から中国に返還されたことから、それ以降は公式的には英連邦との関係を絶っている。しかし実際は英連邦関連の組織(例えば、司法関係、教育関係など)には未だに深く関与している。 そういった、英連邦の非公式チャネルを通じた香港政治・社会への影響について、何か研究のヒントが得られないかと思い、この本を手にとった。2020/02/18
kazutoshi
1
英連邦とはおそらく日本ではあまり馴染みのない言葉かもしれない。本書は英連邦の歴史に遡り、旧植民地の国々がどのように英連邦に加入していったのかを書かれている。旧植民地との悲劇や摩擦をイギリスはどのように乗り越え、現在の英連邦の制度を作り上げていったのか。本書を読むと現在においてもイギリスがなぜ大国として見られるのかがよく分かる。イギリスは成熟した国なのだろう。2013/02/01
gauche
0
「現代イギリスにとっての英連邦」にもうすこしページを割いて貰えると良かったかな。註や参考文献一覧が充実しています。2012/11/08




