内容説明
日本推理作家協会賞 短編部門 受賞作!
同時刻に、異なる場所で、
ふたりの女性が殺された。
しかし、容疑者は男性ひとり……
シリーズ累計17万部突破!
テレビドラマ化、大人気シリーズ最新作
トリックメーカーが贈る
本格ミステリの傑作!
難事件に頭を悩ませる新米刑事は、
美谷時計店の店主・時乃に
アリバイ崩しを依頼する。
湖に沈められた車の謎。
パーティ出席者500人が証人となった政治家のアリバイ。
異なる場所でふたりの女性が同時刻に殺された結果、
生まれた鉄壁のアリバイ。
時乃の推理はいかに?
第75回日本推理作家協会賞受賞作
「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」収録。
解説/有栖川有栖
【目次】
第1話 時計屋探偵と沈める車のアリバイ
第2話 時計屋探偵と多すぎる証人のアリバイ
第3話 時計屋探偵と一族のアリバイ
第4話 時計屋探偵と二律背反のアリバイ
第5話 時計屋探偵と夏休みのアリバイ
解説 アリバイ崩しの傑作 有栖川有栖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
reo
15
時計屋のお姉ちゃんが、彼女の爺様にみっちり仕込まれたアリバイ崩しの副業(あくまで時計屋が本業)。群馬県警の刑事(時には警視庁)が鳩首協議でも結果の出なかった容疑者のアリバイを「時を戻すことができました。━━〇〇さんのアリバイは、崩れました」の一言でアッサリ容疑者のアリバイを崩して見せる、という潔いというかあっけないというかw。マァでも探偵・推理小説としては王道の手法で犯人に迫ります。2025/10/19
hnzwd
14
アリバイ崩しは時計屋の仕事、と言い張る時計屋探偵シリーズ第二弾。アリバイ崩し、で縛りながら、バラエティに富んだ作品集になってるのは良い。「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」は流石の出来。2025/12/29
NAOAMI
13
死亡推定時刻が同時、離れた場所で二人の女性が一人の犯人に殺された?二律背反するアリバイを如何にして崩すのか。時乃が、読者と同じ情報でパパッと矛盾や不審点に気づき速攻でアリバイを崩す。こっちも頑張ってアレコレ考えるんだけどな~。架空都市の捜査一課並みに頭が回らん(笑)。とにかく交換殺人ならぬ交換された被害者がアリバイを相互に作ってしまうという発想がスゴイ。それを実行する女たらしっぷりもスゴイが…。アリバイ崩しに特化しているものの、他短篇もバリエーションというか、まさか!そうくるのか!という驚きに満ちている。2025/10/16
ソルト佐藤
10
中盤からの「一族のアリバイ」「二律背反のアリバイ」が特に面白い。「一族~」は三人のアリバイ崩しで短篇。フーダニットにもなっていて面白く。展開も面白く。名探偵の推理すらミスディレクションになっていてよい。「二律背反~」は二つの事件に対して、それぞれアリバイがあり、一方の事件の犯人だと他方では犯人ではないというシチュエーションが特にいい。あと、探偵と刑事の距離が少しづつ近津テイクという枠物語のフレーバーも楽しい。「ワトソン力」でも感じたけれど、本格ミステリ部分以外も少し楽しくなってきている。2025/11/28
lucifer
7
時計屋探偵シリーズ2冊目。一部、ドラマでやった話もあったよね?なので、トリックを知ってた話もあったが、相変わらず店から一歩も出ず鮮やかにアリバイを崩す様子に感心しきり。特に、『時計屋探偵と二律背反のアリバイ』は賞を取っただけあってトリックもストーリーも秀逸で面白かった。が、珍しく時乃が店を出る『時計屋探偵と夏休みのアリバイ』が、殺人物ではないが青春とノスタルジーを感じ素敵な話で1番良かった。2025/11/08
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