内容説明
それは「案件」か「犯罪」か
タイパ社会に現れた全く新しい犯罪形態「トクリュウ」。
その興隆の過程は、日本社会の構造変化そのものだった。
スキマ時間、リクルーター、兼業、アウトソージング…
脈々と続く、知られざる世界の「歴史」と「系譜」。
いま、労働と犯罪の境界線は限りなく細くなった。
末端がいくらつかまっても絶対に本体が尻尾を見せることはない。
その構造と実態を詳細に追う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nonpono
85
今日もよく見るワイドショーで、詐欺を特集していた。毎日、読んでいる新聞にも、詐欺ばかりである。母と詐欺の被害金額について、みんなお金があるんだね、としみじみ語った。さて、本書。めちゃくちゃ面白かったし好みだし、夢中になってその世界に没入した。元来、わたしは犯罪についてのルポタージュが大好物だが、今を照らしていた。一世を風靡したオレオレ詐欺に、「でも、オレオレのほうには夢がありました。」と詐欺師が語る浪漫よ。採用する側は、病んでない「バカ」が欲しいと言う。借金、発達障害、境界性知能に追求する。厚みがあった。2025/12/17
田沼とのも
21
犯罪世界においても手間を惜しむ、時間を待てない、手っ取り早く金を手にしたい連中が一定層いて、それはタイパだけを重視する短絡的な合理主義に傾倒する現在の一部の市民感覚と表裏一体という指摘に深く頷いてしまった。発達障害か境界知能か無知蒙昧かネーミングはいずれにしても、東南アジアで奴隷的に拉致監禁されて闇バイトさせられている人たちを、ただのバカと単純に断じるだけでは問題を解決できないことはよく分かった。「極道では詐欺は破門、生き方が違う」と暴力団幹部が人生の意味を語るのが、矛盾か諧謔的であるように感じた。2025/12/12
れい
6
【図書館】なかなか頭に入ってこなかった。「匿名・流動型犯罪グループ」を通称「トクリュウ」というのだそうだが、こちらは現在ニュースを賑わすような短絡的な犯罪の主流となっているそうだ。トクリュウはいわば烏合の衆で、目的は多額の金銭を単発で得るため。根底には境界知能やASD的な問題があり、容易に犯罪に手を染めるとのこと。日本経済の低迷も相まってまじめに働いても苦しいから、アホらしくなってしまうようだ。警察が締め上げてもこういう問題はイタチごっこなのかもしれない。出口が見えない気持ち悪さがのこった。2025/12/30
akanishi
5
面白かった。トクリュウも特殊詐欺型と財産犯型がある、潜入捜査は難しそうだ、などなど。あえて難を言えば、外国との比較はもうちょっとほしかったかな2025/12/07
Tomitakeya
4
オレオレ詐欺は日本人しか騙されない。警察を語って電話をかけても騙されるのは日本人だけ、とかなめられている。世界の犯罪者は気合の入り方が違うそうだ。ネットリテラシーを高めることが必要。政府や警察が小さな犯罪を大きくなるまで育てているという都市伝説があるそうだ。2025/12/18
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