内容説明
酒を飲み、短歌を吐き出す歌人による待望の初エッセイ集!
別世界への入り口は、素面と酩酊のあわいにこそ潜んでいる──。
●お酒と短歌にまつわる短編を多数収録●
・「人間は酔うと本性が出る」という話は果たして本当か?
・積極的飲酒、消極的飲酒とは?
・飲酒の心得10カ条とは?
・人前に出るときはお酒を飲んだ方がいい?
アルコールとユーモア、そしてポエジーであなたの世界を揺さぶる一冊。
●歌集未収録の33首を掲載!●
病院で治らない箇所を治すため居酒屋という闇医者に行く
酒で得た仲間を酒で失くすとはなんと律儀なこの世の因果
自己という虚空に酒をぶち込めば涙の代わりに尿が出てくる
復讐しているのかされているのかも分からず8杯目のハイボール
人生にもし締切があるならば今からの雨はすべて催促
etc......
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スイ
19
「お客様の中に獣はいませんか(全員が一斉に手を挙げる)」 NHK短歌で知った、1年でウィスキー100本空けた歌人の短歌とエッセイ。 最初の「泥酔の経験は人間を謙虚にする」から、三田さんの足元にも及ばないもののそれなりに泥酔経験のある私は「わ、わかる…」と額を押さえた。 どの考察も面白いし、体感だったことを見事に言語化されていて気持ちがいい。 ユーモアとペーソスの配分が絶妙で、短歌もエッセイも好きだなぁ! 今後も楽しみ。 どうぞ猫背は直さず事故にお気をつけて。 2025/08/11
Nao Funasoko
17
タイトル買い。著者が歌人だということも知らなかった。 酒は嫌いじゃないが、本書に書かれてるようような泥酔の記憶はほとんど無いなあ。泥酔した記憶は二度だけ。 その二度とも記憶に残っているワケだから、その程度の泥酔でしかないってことだな。(笑) 酔っ払い自爆で救急車&入院してしまった過去を持つ飲み友のOサンには是非読んでもらいたい一冊。 それにしても、出会いはこの本だったが歌集も気になってきた。 2025/05/13
kuukazoo
14
家に帰るまでが飲み会とはまさに。もう歳をとると二日酔いからの回復にも時間がかかるので様々なことに注意を払い自制心をもって飲まないといけないと思って日々飲んでいる。うっかり記憶がとんでしまった時の不安と後悔たるや。ホントに酔っぱらいって迷惑しかない。苦笑しつつ過去をえぐられたりしつつ読んだ。こんな飲み方ができるのも若く健康なうちである。酔っ払って大怪我したり死んだりしては洒落にならないので本当に気をつけてほしい。それにしてもこの自虐と詭弁じみた言い訳の文体、どこかで?と思ったら、森見登美彦?2025/05/10
zhiyang
2
「飲まないことはありえない。ゆえに飲む」という進次郎構文的理論を背骨に呑兵衛の自己正当化が訥々と語られる。深みのある人生訓もなければ社会への鋭い問いかけもない。書きぶりは自信がなさげなくせして妙に堂々としている。素晴らしい。こういう本を読みたかった。2025/04/28
Jump
0
たまたま本屋で目に入って手に取ったのだが、酒飲みとして、ニヤニヤしながらすぐに読み切ってしまった。健康におびえながらもこのような酒飲みで今後もあり続けたい。2025/07/09