中公新書<br> 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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中公新書
福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

  • 著者名:加藤喜之【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 中央公論新社(2025/09発売)
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  • ISBN:9784121028730

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内容説明

アメリカにおける福音派の巨大な存在感は、近年よく言及される。しかし、彼らはどのように影響力を拡大し、トランプ大統領の誕生や再選、あるいは政治的・文化的闘争に関係していったのか。本書は、第二次世界大戦後のアメリカの軌跡を、福音派とその背景にある終末論に着目して描き出す。そこからは大統領の政治姿勢はもとより、中絶や同性婚、人種差別、イスラエルとの関わりなど多くの論点が見えてくる。


まえがき

序 章 起源としての原理主義

第1章 「福音派の年」という転換点――一九五〇年代から七〇年代
1 原理主義者と福音派のはざまで
2「福音派の年」とカーター大統領
3 終末に生きる選ばれし者たち

第2章 目覚めた人々とレーガンの保守革命――一九八〇年代
1 政治的な目覚め
2 モラル・マジョリティの誕生
3 レーガン政権と福音派のせめぎ合い――保守革命の裏で

第3章 キリスト教連合と郊外への影響――一九九〇年代
1 パット・ロバートソンの政治戦略
2 フォーカス・オン・ザ・ファミリーと伝統的家族観
3 クリントンの信仰と六〇年代の精神
4 ウォルマートとメガチャーチの止まらぬ拡大

第4章 福音派の指導者としてのブッシュ――二〇〇〇年代
1 ボーン・アゲイン大統領とネオコンの思惑
2 九・一一と小説のなかの終末論
3 信仰の公共性
4 スキャンダラスな福音派と右派の失速

第5章 オバマ・ケアvs.ティーパーティー――二〇一〇年代前半
1 初の黒人大統領と福音派左派
2 オバマ・ケアと中絶問題
3 ティーパーティー運動
4 アメリカ建国偽史
5 高まる人種間の緊張

第6章 トランプとキリスト教ナショナリズム――二〇一〇年代後半~
1 白人とイスラエルの味方として
2 保守化する司法と中絶・同性婚問題
3 キリスト教国家と非宗教者

終 章 アメリカ社会と福音派のゆくえ

あとがき
主要参考文献
略年表
主要人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぴー

154
現代のアメリカ社会の課題を知るには良い本。タイトルは『福音派』となっているが、50年代〜現在までのアメリカ社会がどう変容したのかを、政治と宗教を織り交ぜて分かりやすく説明してくれる。自分は宗教に無知で、福音派という言葉も初耳だった。そのため、宗教に関する人物や出来事等を調べながら苦戦しつつ読み進めた。また、アメリカ社会や政治に対して、キリスト教が与える影響が極めて大きいことも初めて知り驚いている。未だ人種差別や中絶問題、経済格差等の社会問題が解決しにくい背景を、「宗教」視点から学べました。2026/02/02

skunk_c

131
アメリカのプロテスタントにおける長老派の退潮と福音派の進展という状況は他書にも書かれていたが、その福音派の内容と展開を詳細に解説してある。福音派自体が大きな「くくり」であり、様々な主張があることも理解できた。そしてその中で、現政権を支持する右寄りの福音派が、終末論に基づく指向によってアメリカの民族ユダヤ人よりイスラエル支持であり、特に白人男性が少数化する中での被害意識と結び付き、その政治行動がアメリカの民主主義を脅かしかねないとする指摘は、国際社会に与える影響を考えると空恐ろしい。若者の動向が気になる。2025/12/22

trazom

125
福音派がアメリカ政治に深く関わってきた歴史がよくわかった。ただ、本書では、政治的な影響が詳述されるも、神学的な意味での福音派の本質が理解できなかった。ディスペンセーション主義という特殊な終末論だけではとても説明がつかない。オバマ政権でさえ福音派左派に支えられていたと知ると、そもそもこの集団は、宗教の皮を被った利益集団ではないかという気持ちにさえなる。私は自由主義神学の立場に属するが、福音主義神学にも一定の理解をしている積りである。でも、排他的で公共善を破壊するこの「福音派」とは、議論をしたいとも思わない。2026/05/09

榊原 香織

117
トランプ支持の保守派プロテスタント。 今のアメリカを知るためにはここを押さえておかねば2026/04/30

たま

93
トランプ2期目にうんざり。イラン戦争を仕掛けネタニヤフの侵略を支援する背景にディスペンセーション主義とか終末論があると聞き、不愉快ながらも何だそれ?とこの本を読んだ。著者の加藤さんは宗教右派の教義には軽く触れるだけ※だが、右派と50年代以降の米国政治との関係には大変詳しい。これまでも日本の報道を通じて大統領選の論点(私立学校や中絶)、極右候補者などは見聞きしてきたので、ビリー・グラハムやニクソンからトランプに至る脈々たる流れは良く分かったが、宗教右派の人種差別意識は醜く、つける薬がないという印象。2026/06/13

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