内容説明
「聞いていただこう、ホーイチ・ジ・イヤーレスの物語を──」円城塔
作家・円城塔が、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」を直訳!
ダン・ノ・ウラの戦いの物語を──最も悲哀の深いくだりであるから(「ミミ・ナシ・ホーイチの物語」)
オ・ジョチューは振り返り、そうして袖を下ろすと手で顔を撫でてみせ──(「ムジナ」)
スライド式のスクリーンを開け、そうして彼は見たのだったが、ランタンの光に照らし出された五人の寝姿には──首がなかった!(「ロクロ・クビ」)
日本という未知の国の物語を、英語読者に向けて語るハーンの流儀を再現すると、日本の言葉はただのアルファベットの連なりで得体のしれない音となり、読み手の前に呪文のように放り出され、全てが説明されるわけでもない。当然これは、英語読者にとって「読みやすい物語」ではなく「驚異の書」として受け止められたことだろう。(「訳者あとがき」)
1904年に英・米国で発表された「KWAIDAN」には、遥かかなたの異国「JAPAN」の物語が描かれた。
当時、本書を手にした読者は何を感じたのだろうか。
円城塔が白日の下に晒す、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」の真の姿。
待望の文庫化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tomi
25
ハーン(小泉八雲)の「Kwaidan(怪談)」は海外向けに英語で書かれた作品。今まで日本風に訳されてきた、この作品を円城塔が原文に忠実に訳している。驚くのは「ウバザクラ」「ジキニンキ」「ユキ・オンナ」などのタイトルや、コロモ、ミヤゲなど多くの言葉を日本語のまま書いていること(酒をワイン、畳をマットなどの言い換えも少なくないが)。作中の和歌なども日本語そのまま。「ミミ・ナシ・ホーイチの物語」では謎の言葉が最後に「ホーイチ・ジ・イヤーレス」と明かされる構成。異国の妖しげな雰囲気が醸し出されていたのだろう。2026/02/27
そふぃあ
25
おそらく簑であるものが"藁製のレインコート"と書かれているなど、日本にしかない固有名詞が英語圏でも通じるように置き換えられていて、翻訳するということの味わい深さがを堪能できる。なんかニンジャスレイヤー味がある。 蚊の章はよっぽど痒くて辟易したんだろうなと思った。 石油(灯油)を淀みに流し入れるとボウフラが孵化できなくなると書いているが、環境破壊になると断念したようだ。因みに現代のwebでは水差しに10円玉を入れておいたら銅イオンの殺菌効果で切り花も長持ちするし、ボウフラも発生しないとあった。2025/10/13
イシカミハサミ
19
朝ドラ・ばけばけが放送中で 今が旬のラフカディオ・ハーン著「怪談」。 今となっては定番となっている 「耳なし芳一」「むじな(のっぺらぼう)」などを収録。 日本文化の中では当たり前に語られるあれやこれやを 海外に伝えるための苦心の跡がちらほら。 「なぞらえる」って日本特有の考え方なのね。 そしてやっぱり円城塔訳がめちゃくちゃいい。 原著の意図を可能な限りそのまま“翻訳”してくれている安心感が半端でない。2026/02/15
かまる
19
ラフカディオ・ハーンが海外に向けて綴った『KWAIDAN』、それを円城塔により直訳された作品。以前読んだ怪談は日本人向けに訳された作品であるが、今回は舞台が、異国の人が迷い込んだアジアの不思議な国といった具合の雰囲気を楽しめた。耳なし芳一でいうと、「ミミ・ナシ・ホーイチ」と題され、海外の方からしたら理解の出来ない題名であるが、それを最後に、これがいわゆる「ホーイチ・ジ・イヤーレス」の物語、とする流れは新鮮。後半収録の『虫の研究』は直訳ではないらしいが、円城塔の独特な文章と空気感、それはそれで楽しめた。★42026/01/14
うなぎ
18
二、三冊くらい小泉八雲の怪談を読んだけど、この翻訳は外人さんから読んだ日本の物語ってこんな印象なんだ、なんだかよく分からないエキゾチックなもんなんだと、単語のひとつひとつ、言い回しに工夫がこなされていて、新鮮な気持ちになれた。これはいい翻訳だ! それにしても、飢眠さんのルーツっぽいろくろ首の話の元武士のお坊さんのパワフリャぶりが過ぎて笑ってしまった。よく倒せたな、あんな化け物! よく持ち歩きやがったな😂あんなもん!2025/12/07
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