内容説明
『ならずものがやってくる』著者が放つ、文学×SFの連作短篇集
天才テック起業家ビックスは、アップロードされた他人の記憶に誰もがアクセス可能となる画期的な機器を発売する。記憶が個人のものでなくなりつつある世界で、人が求める「真のつながり」とはなにか――『ならずものがやってくる』著者による、最新連作短篇集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
38
小説のキーとなる「オウン・ユア・アンコンシャス」が形作る世界は後景でしかないように見えて、その実、この圧倒的な”生”を感じさせる群像劇に非常に重要な役割を果たしている。高精細に描かれる儚く生々しい人生は、このSF的なギミックの存在故に現実感が与えられており、不完全さが物語のなかで強調されるからこそ、間隙から生まれた(ように見える)フィクションに類稀な力強さが備わるのだ。それぞれが思わず前後の人生を想像してしまうほど立体感と質量を持っていながら、人間によって創り出される物語の愛情や優しさにも心打たれる。傑作2025/09/21
ぽてち
24
ソーシャルメディア“マンダラ”のCEOであるビックス・ボウトンは、記憶をアップロードして共有するサービス、“オウン・ユア・アンコンシャス”を発明し世界を一変させた。本書は連作長篇の形式で多数の登場人物が時間と場所を替えながら、変わりゆく世界での生き方を描いた思弁小説だ(多分)。サイバーパンク的なSFを期待したのだがガッツリ裏切られた。ピューリッツァー賞を受賞した『ならずものがやってくる』の続篇という位置づけらしいが、こちらは未読。キャラクターが重複する以外は、あまりつながりはなさそうだが……。2025/09/28
本の蟲
20
早川の9月新刊を続けて読んだわけだが、あかん。両方とも合わなかった。記憶のアップロードと共有化サービスで変容した世界を描いているが、期待していたSFではなく、各登場人物の想い、人生の断片を書き連ねた群像劇。海外小説も群像劇もそこそこ読んでいるが、人物の繋がりが把握できないのは単純に入り込めなかったから。普段ならおぼろげに理解が進む、説明のない用語にいちいち引っかかり、文章・構成ともひたすら読みづらい。本作はピューリッツァー賞受賞作『ならずものがやってくる』の続編(姉妹作)らしいが、前作手に取る予定なし。2025/10/01
イツキ
7
記憶を外部に保存し再体験することが可能になった世界の物語ですが、この技術はあくまで物語の構成要素の一つでしかなくその世界に住む人々の人生が代わる代わる描かれていく作品でした。様々な人物の一人称視点で描かれ、また人物によって文体がガラッと変わるのは作り込みが凄いと同時に読みづらさや取っ付きづらさも感じました。複雑ながら丁寧に描かれた作品でした。2025/10/11
駒場
3
メモ 登場人物(特に女性)の話し方があまりに役割語すぎる!と集中できずとりあえず途中まで 原文で読むべきかもしれません2025/10/25
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