内容説明
坂東玉三郎とは、何者なのか?
稀代の女形、五代目坂東玉三郎。
歌舞伎の家の生まれではなく、芸養子として歌舞伎界に入り、どう修業を積んでいったのか――
その生い立ちは意外なほど知られていない。
玉三郎と30年の交遊を結ぶ、小説家・真山仁が長年の対話を元に小説形式で描いた第一部「秘すれば花」。
そして、玉三郎が傾倒する世阿弥の『風姿花伝』にちなみながら、玉三郎の哲学と美学の深淵に迫った第二部「その風を得て」。
現代人に大いなる知恵を示す玉三郎の言葉の数々と、貴重な写真を収録した完全保存版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
176
真山 仁は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、粋と雅を兼ね備えた人間国宝、坂東 玉三郎を描いたノンフィクションでした。しかし伝統芸能の世界は厳しい。著者と坂東 玉三郎が、こんなに親しいとは思いませんでした。 https://mayamajin.jp/books/tamasaburo_t.html2025/11/16
旅するランナー
146
坂東玉三郎が語る、魂、美、醜、闇、情、粋、雅、老… 論理を超越したその感覚が伝わってきます。研ぎ澄まされた美意識や揺るぎない生き様が、歌舞伎の枠を超える深い洞察と共に際立ってきます。2026/03/20
kaoru
77
真山仁と坂東玉三郎の信頼関係が作り上げた一冊。数々のインタビューでの玉三郎の言葉はどれも実に貴重。「演じる」とは自分からの逃避で「自分を消すことで‥その瞬間、特化した想念が飛び出して、一つの役柄になる」「誰にでもある心の闇やマイナス志向のようなものを否定するから…生きづらくなる」「怒りも恨みも向かうべき実体あってのこと。今は相手がはっきりわからない状態で感情を吐き出している」「スマホを使う人が悪いというよりは、それを発明してしまった人間の根源的な悪が横行している」玉三郎は「魂がなくなる時代」を予言する。→2025/12/27
ぽろん
30
若かりし頃、玉さまのファンでした。歌舞伎は、もとより、天守物語の舞台も本当に素晴らしかった。懐かしくて、手に取りました。儚く潔くありたい。人生は、いつまでも道中。心に残る言葉が至る所にあった。又機会があれば舞台観にいきたいなあ。2026/01/22
空のかなた
23
玉三郎さんの、生き様というか、存在そのものを感じ取れる貴重な一冊。第一部の「秘すれば花」は、幼少期から芸養子になり成人になるまでを、著者がフィクションとして書き上げている。とはいえ、まるで見てきたようなリアルさ。ポリオで足に障がいが残っていたこと、守田勘ヤさんが謙虚さを忘れないようにどれだけ厳しく躾けたか、戦後の女形の最高峰と言われた六代目中村歌右衛門とのエピソード。そして玉三郎さんの生活を垣間見るような下り。素潜りを楽しみ、言葉を掘り下げ続け何事も断定しない人であること、美や善に対する感覚。貴重な一冊。2026/04/19




