コーヒーと内戦 エルサルバドル ヒル家三代の物語

著者名：川島良彰/山下加夏

平凡社（2025/09発売）

• ISBN：9784582839913

内容説明

コーヒー大国エルサルバドルで、生産者を守り、内戦を生き延びたヒル家100年の物語から、コーヒーの未来を読みとく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[パトラッシュ]

中米のエルサルバドルと聞くと内戦や巨大刑務所など暗い話を連想するが、そんな国に世界に誇るコーヒー産業を創り上げた家系があった。イギリスから無一文で流れ着いたヒル家の初代は苦労を重ねて業界の頂点に立ったが、二代目と三代目は長い政治的混乱の渦中で農園を守り抜き、四代目は事業を再建し荒廃した祖国復興に尽力した。コーヒーを愛し農家や従業員に信頼されて１世紀を超す歴史を刻んだ歴代当主の事績を、この国でコーヒーを学んだ著者が愛情こめて語る。気候変動や暴力組織の跳梁などの問題も多いが、彼らがいれば希望を信じられそうだ。

2025/12/17