ちくま新書<br> パレスチナ占領

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ちくま新書
パレスチナ占領

  • 著者名:平野雄吾【著者】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2025/09発売)
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  • ISBN:9784480077097

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内容説明

2023年10月7日、イスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲で始まったパレスチナ自治区ガザの戦闘は、パレスチナ側の死者が6万人を超える未曽有の大惨事に至った。これは反ユダヤ主義による蛮行ではなく、長きにわたるイスラエルによるパレスチナ占領が招いた悲劇ではないか。2024年までエルサレム特派員を務めた著者は、パレスチナの人々が抱き続ける故郷喪失と抵抗の記憶を聞きとり、イスラエル国内で被害者意識が強化される構造を読みとく。その歴史から現在まで、パレスチナ問題を一望する必読の書。

目次

はじめに/第一章 ガザ戦闘の実像/1 従軍取材で見たガザ地区北部/2 10・7──襲撃されたイスラエル南部/3 ハマスの肖像/4 民間施設への攻撃/5 パレスチナ難民支援機関の矜持/6 破壊される文化、消される記憶/7 狙われる地元ジャーナリストと排除される外国メディア/8 隠された人権侵害──イスラエル拘束下の拷問/9 ハマス拘束下の人質たち/10 ホロコーストから10・7ハマス奇襲へ/第二章 占領と抵抗の記憶/1 土地の争い、ナショナリズムの衝突/2 悲劇の始まり──一九四八年を語る/3 ハイジャックの“女王”ライラ・ハリド──故郷ハイファとオレンジ/4 拡大するユダヤ人入植地/5 占領を支えるシステム──合法化された追放と破壊/6 オスロ合意再考/7 形骸化するパレスチナ自治政府/8 10・7以前のガザ地区と「天井のない監獄」/第三章 分断されるイスラエル社会/1 右傾化と分断/2 汚職疑惑と司法制度改革で割れた市民/3 台頭する「宗教シオニズム」/4 ネタニヤフとシオニズム/5 ホロコーストと管理された「記憶」/6 「永遠の被害者」/おわりに/主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

26
24年までエルサレム特派員を務めた著者が、パレスチナの人々の故郷喪失と抵抗、イスラエル国内で被害者意識が強化される構造を読みとく1冊。日々の暮らしの中で見えたユダヤ人とアラブ人の目に見えない壁、従軍取材で見た襲撃された様子、ジャーナリストの扱い。紹介されている今イスラエル国内で起きているひとつひとつの重い現実はなかなか衝撃的で、近年の出来事は契機でしかなく、これまでの歴史の積み重ねの結果として起きていることだと改めて感じましたが、そうなる状況に至った経緯の根底にある意識は決して他人事ではないと感じました。2025/10/06

お抹茶

3
パレスチナ人とユダヤ人の双方の被害者や遺族を取材。イスラエル社会ではパレスチナ人への無関心は着実に広がり,言葉も目も交わさない「見えない壁」が存在。ハマスが組織的に病院を軍事利用しているとイスラエル軍は主張し,十分な証拠なく医療機関を攻撃して治療を困難にする。パレスチナ自治政府は汚職や権力濫用で形骸化し,パレスチナ人はイスラエルの占領と自治政府にも抑圧される。第二次インティファーダでイスラエル社会は右傾化し,宗教ナショナリズムも強まり,ネタニヤフ政権という形で国家運営の中枢に入り込み,パレスチナ人を抑圧。2025/10/31

ふゆ

2
「被害者」であったはずのユダヤ人がなぜパレスチナでこれほどまでの加害者として君臨しているのか。なぜそんなことができるのか。パレスチナの現実の描写に、ひとつひとつ衝撃を受けた。あとがきで入管問題と重ねられているように、異質な弱者を周縁化し透明化するイスラエル社会の構造は、日本の社会にもいろいろと通じるところがある。遠い場所の話と割り切ってはいけないように思う。2025/09/22

takao

1
ふむ2025/10/23

rockwave1873

1
○中東の地政学的秩序はこの十数年、イスラエルとイランの間の勢力均衡により支えられてきたが、レバノンやシリアにイスラエルに対抗する勢力がいなくなった上、イラン自身が弱体化し、イスラエルは中東全域に軍事的な優位性を確立した○ここ100年間の中東の歴史は欧州から移住してきたユダヤ人が軍事力で周辺国家にイスラエルという国家を認めさせてきた歴史○米イスラエルが進める『平和』は排除と抑止により成立しており、排除される側のパレスチナ人はイスラエルへの憎しみに満ち、ハマスが壊滅しても、新たな抵抗勢力が現れ抵抗運動は続く2025/10/12

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