角川新書<br> 後宮 殷から唐・五代十国まで

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角川新書
後宮 殷から唐・五代十国まで

  • 著者名:加藤徹【著者】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • KADOKAWA(2025/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 390pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040825335

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内容説明

歴史は、夜にこそ動く。三千年以上も存続に成功した国家システム。
巨大な密室から歴代王朝を見た、ありそうでなかった類書なき中国史。上巻は古代から五代十国まで。

歴代王朝は後宮制度を改良し続けた。
中国的な後宮はハレム等と違い、中国の歴代王朝にしか存在しない。「国」と「家」、公的な外廷政治と密室的な内廷政治の二本立てという中国式国家システムは、三千年以上も存続に成功した。中華帝国の本質は後宮を見ることでわかるのだ。この巨大で濃密な人間関係の装置の中で、男たちと女たち、そして宦官という「第三の性」は、どの様な生きざまを見せてきたのか? 
■当初、宦官は去勢とは無関係だった
■秦の趙高は宦官だったのか疑わしい
■中国史上初の皇后は、始皇帝の妻ではなく、前漢の高祖劉邦の正妻・呂后
■呂后の暴力が宮廷を出ることはなかった
■前漢時代、同性愛こそが自由恋愛だった
■五回廃位され、六回皇后に返り咲いた西晋の羊皇后
■宗族というインフラ抜きに中国史は語れない
■美女は人間兵器だった
■皇帝の姉妹は後宮に女性をすすめる役目だった
■実子を殺した北魏の霊太后
■隋の独孤皇后、事実上の一夫一婦制を行う
■中国の帝王学の要諦は分割統治である
■士大夫、宦官、外戚のトリレンマ
■日本での後宮のイメージを決定づけた楊貴妃

【目次】
序章 後宮とは何か
第一章 太古から秦帝国まで
第一節 夏・殷・周
第二節 春秋時代
第三節 戦国時代と秦帝国
第二章 漢の後宮
第一節 前漢初
第二節 前漢中期
第三節 前漢末
第四節 後漢
第五節 三国時代
第三章 大分裂時代の後宮
第一節 西晋
第二節 五胡十六国と南北朝
第三節 隋
第四章 唐の後宮
第一節 初唐 
第二節 盛唐
第三節 晩唐
第五章 五代十国時代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

24
中国の王朝の変遷を絡めながら、中国の後宮制度がどう変わっていったのか、その本質を考察した1冊。単なるハレムではなく、国と家、外廷と内廷という二重構造の中で国家運営に深く関与してきた後宮。宦官の起源や呂后の暴力、五回廃位され六回皇后に返り咲いた西晋の羊皇后、皇帝の姉妹は後宮に女性をすすめる役目、隋の独孤皇后の一夫一婦制など、多彩なエピソードが紹介されていて、各時代の後宮の特徴に言及しながら、士大夫、宦官、外戚との関係要素を踏まえつつ、どう位置づけが変わり、システムとして進化していったのか興味深かったですね。2025/10/08

さとうしん

16
後宮そのものを扱うというよりは、後宮あるいは後宮に住む妃嬪、宮女、宦官+外戚を軸にして見る中国史という感じ。今回は五代十国まで。呂后や楊貴妃など特定の話題に多く紙幅を割く傾向はあるが、時代ごとのバランスはまあまあ取れていると思う。昔から停滞論的に見られがちだった中国史の展開をそう見ないようにするというスタンスが良い。関連する映画・ドラマや日本の古典を引き合いに出すのも面白い。中国で後宮物といえばの清朝を扱う続刊が楽しみ。2025/09/13

電羊齋

11
中国の後宮や後宮制度の歴史というより、後宮をめぐる人物たちを中心とした歴史といったところ。今回は前半ということで五代十国までで、各時代についてバランス良く取り上げている。また、時代ごとの変化にも触れており、昔から「同じことの繰り返し」に見られがちな中国史が実はそうではないことを示している。さらに、各人物の強烈なエピソードには興味を引かれるし、趙高非宦官説など近年の研究による目新しい話題も取り入れていて面白かった。そして、関連の中国、日本の古典文学作品、ドラマ・映画も取り上げられているのも良かった。2025/10/05

in medio tutissimus ibis.

3
血統への信仰に従い、宗族という人間を動員するインフラを維持拡大することに血道をあげてきた中国文化の精髄が後宮である。それは中華皇帝に快楽と後継者のみならず、貴族や士大夫からなる外廷と均衡する為の勢力である宦官(前漢までは去勢とは限らなかった)や外戚をも用意する装置であり、国家予算の大半がそこに注ぎこまれた。秦漢時代は春秋戦国の尊卑の分離を均したが、その終わりにはまた伸長した門閥貴族が北族を導入した結果、五胡十六国時代へと突入し、隋唐に至っても性と宗族のアノミーが混乱を齎し、五代十国のカンブリア爆発に至る。2025/12/23

3
後宮。すなわち政争の場。血なまぐさいったらありゃしない。でもそれこそ歴史の大河なのではないかと思う。中国史における戦乱の世ではない、ある意味として『本編』とも言えるか。そんな後宮の概略が書き連ねております。前巻ですらこの濃さでありますからね。文中に出てきた人物や参考文献(小説もあり)も色々と読みたくなる。分厚さに見合った中々の新書です。2025/12/06

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