内容説明
H・P・ラヴクラフトの熱心な愛読者であり、とりわけ「クトゥルーの呼び声」に魅せられて自らも神話創造に参入したロバート・E・ハワードによるクトゥルー神話作品のほぼ全てを網羅する、21作品600ページを収録。
キンメリアのコナンが活躍した“ハイボリア時代”と『無名祭祀書』を結びつけるミッシング・リンクともいうべき無名の小説断片や、格闘ゲームでおなじみのシュマ・ゴラスの出典である「黄金髑髏の呪い」など、商業未訳作品を複数収録していることに加え、既訳のある作品についてもクトゥルー神話研究家・森瀬繚が語彙のひとつひとつを徹底的に監修。
-----------
収録作品:
アーカム(詩)/無名の断片(断章)/影の王国/黄金髑髏の呪い(断章)/バル=サゴスの神々/暗黒の民/大地の妖蛆/妖蛆の谷/スカル=フェイス/夜の末裔/黒の碑/屋根の上の怪物/憑かれた指輪/われ埋葬にあたわず/墓所に棲みつくもの/黒熊は噛む/例の屋敷(断章)/翡翠の神(断章)/アッシュルバニパルの炎/蹄のあるもの/庭園への扉(断章)
-----------
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イツキ
5
最初期のクトゥルフ神話構築に貢献した作家の一人である著者の神話関連作品を集めた1冊。古代を舞台にした作品と現代を舞台にした作品に分けられていて前者は剣と魔法のファンタジー的な雰囲気、後者はクトゥルフでイメージするホラー的な雰囲気の作品群でした。ラヴクラフトの作品とは違い、あくまでクトゥルフ関連生物は脇役や道具であり人間同士の戦いや陰謀といった印象が強くそのあたりの違いも面白いです。著者の作品は読んだことがないのですがコナンシリーズにもそのうち手を付けたいなと思いました。2025/09/20
アル
2
転生、というより前世の記憶を扱った作品が複数あるが、過去への憧憬の表れだろうか。 また、地下で退化した種族も繰り返し扱われており、著者のお気に入り?の題材なのをうかがわせる。 人間の力の及ばぬ存在が出てくることも多い中「剣で切れるなら殺せる」式の発想をする主人公が出てくるのもREHらしさだろう。 解説と作品解題も良かった。2025/12/09
Smith, Ordinary. Person.
2
R.E.ハワードは、英雄コナンシリーズ等に代表される冒険ファンタジーもので一躍有名となった人気作家の一方で、物語の熱烈な愛好者でもありました。H.P.ラヴクラフトの作品ももちろん好物で、彼の作品を読んだことをきっかけに文通仲間となり、やがてクトゥルー神話作家としても名を上げるようになります。 本書はREHの作品リストから、クトゥルー神話で作った釣針にかかった、未完の断章も含め21篇を収録した初の集成です。(以下、コメントになるべくネタバレ無しの各話感想。)2025/10/11




