内容説明
夏休み、高校生の千春は、父親の実家でお盆をすごすことになった。
到着早々、伯父さんから、最近おばあちゃんのようすがおかしいと聞かされる。
そんな折、海外にいる従姉の出産に立ち会うため、叔母さんが数週間、家をあけることになった。伯父さんは、おばあちゃんの面倒をだれかに頼もうとするのだが、みんな、首を縦に振ろうとしない。
「千春ちゃんは?」
おばさんが問いかけた一言に父親が返事をした。
「ちょっと無理じゃないか?」
勝手に決めつけられ、むっとした千春は、おばさんにむかって答えた。
「いいよ、わたしは」
千春の成長を描く物語、高校生編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikutan
57
『たまねぎとはちみつ』で小学五年生だった千春。『ひこぼしをみあげて』で中学生になり、今回の『かわせみのみちくさ』では高校生に。夏休みに田舎に帰省した千春は、伯母さんが留守の間、認知症の疑いのあるおばあちゃんと過ごすことになった。ワンピースを一緒に作ったり、おばあちゃんの秘密の友だちと楽しく過ごしたり。実はおばあちゃんには意外な過去が。そんなおばあちゃんが、将来に不安を抱える千春に教えてくれた言葉がいい。「キビブハベハ(生きてたらわかる)」。夢や目標があってもなくても、経験したことは自分の中に残るのだから。2025/09/25
よこたん
34
“「夢や目標があってもなくても、経験したことは自分の中に残るからね」 それが、いつかどこかで、思わぬかたちで役に立つこともあるだろう。おばあちゃんのお裁縫や、フランス語みたいに。” 「千春」の物語、3作目。高校2年の夏休み、帰省先での出来事を描いたもの。大きくなったねぇと、親戚のおばちゃん気分で読んだ。おばあちゃんが語ってこなかった過去、優しさゆえに周りに言わずに見守る姿、歳を重ねても衰え知らずの裁縫の腕前に、よく知る人の姿が思わず重なって、じんわり。千春には、ゆっくりと焦らず急がずに進んでほしい。2025/10/04
anne@灯れ松明の火
28
挿絵の今日マチ子さんのSNSご紹介。新着チェックで予約。千春シリーズ3。どうしてもやりたいこと、進路の希望も見つからない千春、高2の夏休み。父方の田舎に里帰りし、留守の伯母の代わりに祖母を見守ることになって……。あまりじっくり話したことのなかった祖母の思い出話を聞いたり、一緒に洋裁をしたりする中で、祖母のこと、そして自分自身のことを見つめ直す。「キビプハペハ=生きてたらわかる」焦らなくていい。道草をくったっていい。祖母との半月で、千春はまたひとつ成長した。読むなら、ぜひ1「たまねぎとはちみつ」から♪2025/08/02
雪丸 風人
21
気持ちがすうっと軽くなる物語でした!主人公は帰宅部の高校二年生。夏を持てあましていた彼女が、わけあって田舎の祖母と過ごすことになり、思わぬ体験を重ねるというストーリーです。悩みを解きほぐす年の功が凄い!主人公がどちらかというと控え目なせいか、前に出るタイプだったおばあちゃんの学生時代の話がとびきり愉快に感じられましたよ。キャラクターでは怒ってる時ほど物腰が丁寧になる母も面白かったですね。こうあるべきという考え方にとらわれた主人公は、どんな心持ちになっていくのか?要注目です!(対象年齢は12歳半以上かな?)2025/07/26
カール
17
千春の物語シリーズ3作目。高校生になった千春が、お父さんの実家に帰省した先でのひと夏の出来事。みんなは将来の夢があり、その目標に向かって進路を決めている。自分がやりたいことが見つからず、このままでいいのかと悩む千春だったけど、おばあちゃんとの暮らしの中で、そんなに悩まなくても大丈夫だと気がつく。「夢や目標はよく山のてっぺんに例えられるけど、特にそう決めてたわけじゃなくて、目の前の道をてくてく歩いていたら、いつの間にか高いところまで来てたってこともあるんじゃないかな」というおばあちゃんの言葉が心に残った。2025/10/22




